「夜道には気をつけろよ」という発言は、市長の狙いどおり「全国の注目を集める」という絶大な効果を挙げましたが、市長は10月31日の時点になって、この発言は比喩だとして、なぜか「なかったこと」にしました。

市長は、この脅迫発言は役割を終え、このまま引きずると不都合なことが生じと考えたのでしょう。

それを見ていきましょう。


① 10月20日のマスコミを招き入れた全員協議会で、市長は恫喝発言をしたのは山根議員であることを明らかにしました。


② ところが、「夜道には気をつけろよ」という脅迫発言は、通常女性が発する発言ではなく、無法者特有の言い回しです。


③ したがって、女性である山根議員が、この「無法者特有」の発言を、しかも公の場でしたとするには無理があります。


④ さらに、「明らかに脅迫であるこの発言をした議員は誰か」という問題が市長に突きつけられてきます。


⑤ 市長は、この脅迫発言をした議員を名指しすることは、でっち上げたウソにウソを塗り重ねることになります。


⑥ 当然、名指しされた議員は、猛烈な反撃に出ることが想定され、事態の収拾がつかなくなることが想定されます。


⑥ そこで、「夜道には気をつけろよ」という発言は「比喩だ」と詭弁を弄し、なかったことにしたのでしょう。



この間、市長の言動をつぶさに見てきた市民からすると、以上のようなストーリーが最も妥当性があると考えざるを得ません。

確かに裁判においては、準備書面のやり取りの段階で、「夜道には気をつけろよ」という発言を本件発言にすることはできなかったようですが、本会としては、この脅迫発言は市長の作為が典型的に現れた事例であり、恫喝発言問題において果たした役割を考えると、「はい、そうですか。なかったことにしましょう」と矛先を緩めるわけにはいきません。



なお、当時の議会や市民が、市長が提示した恫喝発言をどのように把握していたか、当時の議長の記者会見から見ておきます。



10月30日 山本優前議長会見要旨(抜粋)

[見解]

(2)恫喝

「恫喝は、発言内容にかかわらず、受けた側が感じた時点で恫喝になるとの認識が必要」との意見もあったが、「議会の批判をするな」「選挙前に騒ぐな」「敵に回すなら政策に反対するぞ」「夜道には気をつけろよ」といった、威圧的に感じられる発言がなかったことは、全ての議員への聞き取りによって確認した。

仮に、そのような発言があれば、その場で、発言をした議員を、議会として厳しく対処する。

(以下略)