今回は、山根議員の証人尋問から報告します。



なお、市長は「数名から議会に批判をするな、選挙前に騒ぐな、事情を補足してやれ、敵にまわすなら政策に反対するぞ、夜道には気をつけろよ」と恫喝されたとツイートしていますが、本裁判における「本件発言(恫喝)」は「敵にまわすなら政策に反対するぞ」のみを対象にしています。

たぶん事前の協議の中で決定したと思われますが、それは後日記す市長の証言の中で垣間見ることができます。



② 山根議員側弁護士の尋問です。

これまでの山根議員の主張に沿って証言されており、特段記すことはありません。

ただ、「市長には『がんばって』と思ってきただけに、10月20日の全員協議会で、私の発言を『恫喝だ』と受け止められたことは残念だった」と、当日の心境を語られていました。しかし、恫喝発言については、きっぱりと「なかった」と証言されています。
  


次に、市長側弁護人による尋問です。



このやり取りは、市長側弁護人が執拗に、しかも証拠番号だけを示しての尋問でしたので、十分速記できていません。

たぶん山根議員も整理が追いつかない部分もあったのではないかと思われます。

そこで、論点になったところを要約します。



市長側弁護人の尋問のポイントは次のとおりです。



10月20日の全員協議会で、「山根議員はなぜ恫喝発言を否定しないで、『弁明』をしたのか」を追及することで、「山根議員は恫喝発言を認めていた」ことを示そうとしました。



「恫喝発言があったことにする」には、10月20日のこの場面を追及することと、市長が「あくまで恫喝発言はあったと強弁する」以外にないからです。



これに対して山根議員の証言の要旨は次のとおりです。



山根議員は、10月20日の市長発言の「あの場で私にご忠告を下さった」の「忠告」を意識して、市長の発言直後は、まさか自分を指している(恫喝発言をしたと特定された)こととは思わずに、「9月30日の自分の発言の説明をした」と証言しています。

当然恫喝発言を肯定する発言は一切ありません。



結局、市長側弁護人の執拗な尋問が続きましたが、議論はかみ合わないまま終了しました。



さて、この裁判は「安芸高田市」も被告に立っています。

それは市長が「今回の恫喝発言に係るXや一連の言動は『市長』としてやった」と主張して、安芸高田市を巻き込んでいるからです。

こうした事情があるからでしょう、安芸高田市の顧問弁護士は、開廷前の写真撮影が終わった開廷直前にバタバタと入廷し、証人尋問は傍観するだけで一切加わろうともしていませんでした。

聞くところによると、顧問弁護士はこの裁判に安芸高田市が被告として参加することに否定的で、全く関わっていないといいます。

これが市長サイドの実態です。