昨日(28日)の9月定例議会で、昨年度の一般会計決算が不認定されました。



中国新聞では、この決算の議決に当たって行われた賛成討論において、南沢議員が次のように「市長を大絶賛」したと報じています。



借金を着実に返済しつつ、貯金の財政調整基金の積み上げもできた。

(事業の見直しやコストカットを例に)将来に向けて改革を断行する執行部の姿勢に敬意を表する。




では、「市長を大絶賛」するほどの決算なのか、再度整理をしておきましょう。


① 「借金を着実に返済」とありますが、これは「普通建設事業が合併後の一時的な急増から、減小していくことに伴う当然の帰結」であり、市長の行政手腕の結果では一切ありません。


② むしろ、「借金(起債)」の急激な減小は、普通建設事業も大きく減少し、「残すべき施設やインフラの維持ができていない可能性」があり、将来に禍根を残す可能性がありま
す。


③ 「貯金の財政調整基金の積み上げ」と評価していますが、その要因は次のとおりです。

 ○ 予算編成がずさん

 ○ 予算執行が適正に管理されず、不用額の出し過ぎ

 ○ 政策不在が全体の歳出を圧縮

 ○ 一方で、市民の理解を得ない補助金事業や施設廃止の強行

この結果、出過ぎた不用額を積み立てただけ、市民にとって評価すべき点は一切ありません。


④ 「将来に向けて改革を断行する執行部の姿勢」と石丸市政を高く評価していますが、「将来に向けて改革」とは、次のこと以外考えられません。

ただただ市民には迷惑なだけの話です。

 ○ 政治再建を標榜する劇場型政治において、悪役に設定した「自分の意に沿わぬ
 議員」を貶め、徹底的に排除する。
 ○ 市民の理解や協力は一切得ることもなしに、補助金や施設を廃止し、管理・投
 資が必要なインフラも放置する。
 ○ 「受益者負担の原則」を旗印に、水道料金、下水道料金や各種手数料等の値上
 げに走る。

 ○ 「コンパクトシティ」を旗印に、周辺地域を切り捨てる。等々



決算書の表面だけの数字だけで評価し、しかも行われている行政の実態を見ることなしに、「将来に向けて改革を断行する執行部の姿勢を認め敬意を表する」とは、「行政機関」のチェックを機能とする議会の一員として情けないとしか言えません。



一方で、市長は報道陣の取材に対して、次のように発言しています。



本来やるべく審査をやらずして、私の批判を展開したい、執行部の足を引っ張りたい、揚げ足を取りたい以上の動機が見えない。



相も変わらず、「劇場型政治の正義の味方」を演じ、映像の編集を意識した「悪を罵る決め台詞」を連発しています。



しかし、市長は全く認識がないようですが、この決算不認定は、来年度予算の審議に何らかの影響が出てくるのは必然です。

その時、市長は今回と同じような「決め台詞」を残すことになるでしょう。(ただし、その時市長が在任していればの話ですが)