3月に入りましたので、自治体では人事の季節になりました。



安芸高田市では、毎年定年前の幹部職員が数名やめていきます。

本人は、何も語りませんが、周囲にいた職員は、「市長のやり方がいやになったのだろう」と語ります。

いずれも、辞めた職員は、民間企業等で働いていますので、退職は本意ではなかったことが分かります。



また、市長は、自分の意に沿わない職員については、畑違いの部署へ遠ざけたり、外郭団体への出向を命じています。

職員や市民はよく知っており、「○○さんは、△△へ飛ばされた」と噂しています。



市長は、今年度の施政方針で、360度評価制度を拡大して「人材育成を図る」と言っていますが、やっていることは、職員を潰し、生活を奪っているに過ぎません。



既に、職員が市長に忖度して仕事をしていることは、よく知られていますが、最近では、市長の意に沿わない議員や市民との接触についても、全て市長に報告するようになっているそうです。

特に、情報統制は厳しくなっているようで、「どこから情報が出たのか」と市長の厳しいチェックが入ると言われています。



まるで、どこかの「強権国家」のような様相になっています。



この通信で、今年度予算について分析をしましたが、こんなコメントが来ました。

「まだ、市長が議会で提案もしていないのに、どこで手に入れたのか。職員か、議員か。いずれにしても秘守義務違反になる(要約)」とありました。



議案は既に議会運営委員会で確認され、議員の元にも届いています。

また、記者会見で発表もされていました。

有権者である市民が手に入れて、何が秘守義務違反になるのでしょうか。

市長が議会で提案するまで、市民が知らないという方がむしろ問題です。

記者会見と同時に市のホームページに上げるくらいの迅速さこそ求められています。



市長の情報統制は、市民の権利に対する感覚を鈍らせ、こんな小理屈をははびこらせるのです。



昨年の財政説明会や今議会での水道料金値上げの説明において、市長は美土里町と高宮町の水道普及率が低いことを指摘し、「美土里町と高宮町の市民は、他の町の水道料金を払わされている。こんな不公平なことない(要旨)」と、主張しています。



この主張が、地域間に分断を持ち込む主張であることに気が付かないのでしょうか。

このロジックは、地域間だけなく性別、年代別、経済格差等に分断を持ち込むことを許します。

「あれらはええよのう。わしらばっかり損をしょうる」等々の声が巷にあふれれば、地域の共同体は崩壊します。

政治家としては絶対やってはいけない危険な手法なのです。



市長は、この手法を公の場でも平然として使い、さらに職場にまで持ち込み、職場の人間関係まで壊しています。
 


昨年の12月議会で、職員の定年が65歳に引き上げられたにもかかわらず、この3月末にも定年を前に辞める職員が数名いると言われています。

原因は、いずれも「市長の行政手法と意欲の喪失」だと言われています。



職員の皆さん!!

市民は、皆さんの職場環境が大変なのをよく知っています。

しかし、市長は1年余り先には代わります。

それまで、職員としての矜持を胸に秘め、仕事をしてください。

面従腹背に徹し、切り抜けてください。辞めてはいけません。



[注]面従腹背(めんじゅうふくはい)

表面的に服従する姿勢を示しつつ、内心は相手の命令に従う気がないこと