市長は、「人事評価制度を見直します」と大々的に銘打って、広報しています。
しかし、本来の人事評価制度は、人事における昇格や給与における昇給等の資料にするとともに、職員の能力向上に寄与することを求めています。
こうした総合的な人事評価制度には、業績評価、能力評価、情意評価が必要です。
今回広報されている「360度評価」は、人事や給与に影響させるにはそぐわない評価制度だとされ、人材育成や能力向上には役立つものだと言われています。
広報にも「組織の生産性を高めるため」となっています。
つまり、「360度評価」は、「人材育成制度」であって、人事評価制度ではありません。
したがって、自治体の人事評価制度に取って代わることはできず、見直しにはなりません。
完全に虚偽広告です。
360度評価は、広報に書いてあるようなメリットもありますが、デメリットもあります。一般的には、次のように言われています。
① 主観的評価になりやすい。
② 評価を気にした指導や育成になりやすい。
③ 評価に馴れ合いが生じやすい。
④ 事務量が多くなる。
これらのデメリットを見ると、多くの職員が評価者になることから、職員にこの評価の目的を周知し、決して悪意や偏見、馴れ合い等で評価しないようしっかりとした教育・訓練が必要になってくることが分かります。
この評価は、同僚や部下が上司を評価することにもなりますので、失敗した例は、ここに起因するものが一番多いそうです。
また、一番大事なのは、職員に評価結果をフィードバックするとともに、上司が面接をして、長所を伸ばし短所を克服するPDCAに取り組むことだそうです。
さて、こうしたことを前提に、今回の市の360度評価を「人材育成制度」として見てみましょう。
一般的に360度評価には、評価項目が多くなりがちだそうで、多くても20~30の評価項目に押えるとされています。
つまり、通常20項目前後の評価項目を使うとされています。
しかし、今回の市の360度評価には、5項目しかありません。これでは、職員の職務に必要な能力を多面的に評価することはできません。
下手をすると、360度評価のデメリットだけが出る結果になりかねません。
はっきり言って、アリバイ作り程度の360度評価だといわざるを得ません。
市長の360度評価については、市長のトップとしての資質を評価する統率能力、執行能力、政策形成能力、コミュニケーション能力等の項目は全くありません。
しかも、評価項目はわずかに5項目だけです。
何のための評価か全く理解できません。
市長というトップには、上からの評価、横からの評価がありませんので、360度評価にはなりません。
部下からの評価だけですので、前号で指摘したように「忖度」されている可能性が大です。
しかも、市長は、この評価結果を受けて、PDCAをどのようにされるのでしょうか。
高い評価だったので、する必要がないと言われるのでしょうか。
これでは、どう見ても市長の360度評価は、完全に、「受け」を狙ったパフォーマンスにしかなっていません。
職員に対しても、こんな「お遊び」程度の360度評価では、「100害はあっても1利なし」になります。
市長は、本当に「人事評価制度」や「360度評価」を知っているのでしょうか。
これでは、職員が辛苦するだけで、労働時間の無駄遣いにしかなりませんので、即刻中止するべきです。
注 PDCA
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、このプロセスを繰り返し、組織の成果を上げる手法です。
しかし、本来の人事評価制度は、人事における昇格や給与における昇給等の資料にするとともに、職員の能力向上に寄与することを求めています。
こうした総合的な人事評価制度には、業績評価、能力評価、情意評価が必要です。
今回広報されている「360度評価」は、人事や給与に影響させるにはそぐわない評価制度だとされ、人材育成や能力向上には役立つものだと言われています。
広報にも「組織の生産性を高めるため」となっています。
つまり、「360度評価」は、「人材育成制度」であって、人事評価制度ではありません。
したがって、自治体の人事評価制度に取って代わることはできず、見直しにはなりません。
完全に虚偽広告です。
360度評価は、広報に書いてあるようなメリットもありますが、デメリットもあります。一般的には、次のように言われています。
① 主観的評価になりやすい。
② 評価を気にした指導や育成になりやすい。
③ 評価に馴れ合いが生じやすい。
④ 事務量が多くなる。
これらのデメリットを見ると、多くの職員が評価者になることから、職員にこの評価の目的を周知し、決して悪意や偏見、馴れ合い等で評価しないようしっかりとした教育・訓練が必要になってくることが分かります。
この評価は、同僚や部下が上司を評価することにもなりますので、失敗した例は、ここに起因するものが一番多いそうです。
また、一番大事なのは、職員に評価結果をフィードバックするとともに、上司が面接をして、長所を伸ばし短所を克服するPDCAに取り組むことだそうです。
さて、こうしたことを前提に、今回の市の360度評価を「人材育成制度」として見てみましょう。
一般的に360度評価には、評価項目が多くなりがちだそうで、多くても20~30の評価項目に押えるとされています。
つまり、通常20項目前後の評価項目を使うとされています。
しかし、今回の市の360度評価には、5項目しかありません。これでは、職員の職務に必要な能力を多面的に評価することはできません。
下手をすると、360度評価のデメリットだけが出る結果になりかねません。
はっきり言って、アリバイ作り程度の360度評価だといわざるを得ません。
市長の360度評価については、市長のトップとしての資質を評価する統率能力、執行能力、政策形成能力、コミュニケーション能力等の項目は全くありません。
しかも、評価項目はわずかに5項目だけです。
何のための評価か全く理解できません。
市長というトップには、上からの評価、横からの評価がありませんので、360度評価にはなりません。
部下からの評価だけですので、前号で指摘したように「忖度」されている可能性が大です。
しかも、市長は、この評価結果を受けて、PDCAをどのようにされるのでしょうか。
高い評価だったので、する必要がないと言われるのでしょうか。
これでは、どう見ても市長の360度評価は、完全に、「受け」を狙ったパフォーマンスにしかなっていません。
職員に対しても、こんな「お遊び」程度の360度評価では、「100害はあっても1利なし」になります。
市長は、本当に「人事評価制度」や「360度評価」を知っているのでしょうか。
これでは、職員が辛苦するだけで、労働時間の無駄遣いにしかなりませんので、即刻中止するべきです。
注 PDCA
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、このプロセスを繰り返し、組織の成果を上げる手法です。