創価ブログ村において、第1位に燦然と輝く「創価の森」ブログ。活動から聖教新聞に対する感想、日々の出来事、さらに管理人である菊川氏が長年続けておられるひらがな御書まで、トピックは多岐にわたる。拙も頻繁に拝見している、いわば愛読者の1人である。
このブログは、拙の師であるあべひ先生が舌鋒鋭く攻撃し続けてきた対象でもある。その鋭さたるや流石あべひ先生と感服させられるものがある。だが、拙が当該ブログについて、興味をそそられるのは、あべひ先生のご観点とはやや異なっているように思っている。
それは、管理人の菊川氏の憲法や東アジア情勢を巡る見解である。
菊川氏のブログを読んでおられる方ならばわかると思うが、氏の見解は「右派」と分類されてもおかしくないものだ。
以下の記事を見てみよう。
この記事で彼は、中国や北朝鮮をゴキブリやネズミ、シロアリ、イノシシといった害虫・害獣になぞらえながら、「対話が成り立たない相手が殺しに来たら殺していい」「イノシシはこれからも殺され続けるでしょう」と穏やかでない記述をしている。これは、保守系(ネトウヨ?)のブログなどでよく見られる例えだ。
さらに憲法9条を遵守する日本の左派については、以下のような見解を述べている。
元凶は「反戦」「対話」による行動のみが、唯一絶対の正義であり、戦力は絶対悪であるというレッテルです。
そのレッテルの根拠は憲法9条を100%絶対とする思想なのです。
学ぶこと、知ること、判断する、という政治のセオリーを無視するかのような左的思考に警鐘を鳴らしたい。
彼は憲法9条ドグマに対して、きわめて強い反発を覚えているようだ。そしてどうやら彼は、安倍改憲案と呼ばれる「3項加憲」案にその立場を置いており、自衛隊の役割を憲法で明確化すべきだと考えているようだ。さらにその理由として、「自衛隊員の心を強化できるから」という安倍晋三の言いそうなエモーショナルな理由を挙げている。
出展元:https://sokamori2.exblog.jp/29225024/
拙は彼の政治的立場云々については語らない。別に中国をゴキブリ扱いしたければすればよいし、自衛隊員に誇りを持ってお仕事してほしいなら、そう主張すればよい。
だが拙が引っかかるのは、このような立場の見解をここまで声高に主張する学会員に、ほとんど会ったことがないからである(彼の情熱はどこからくるのか?)。池田名誉会長は幾たびも「9条は変えてはならない」と述べており、この9条的な絶対平和の思想に感化されている会員が多い。ましてや、創価学会との交流の深い中国を害獣・害虫に例える会員には、初めてお目にかかった。
池田名誉会長の著作を読めば、仏法を根幹としながらも、その政治的立場は右派的ではなく、むしろ左派的と言えるだろう。菊川氏の池田名誉会長への熱い思いは疑う余地もないのだが、彼は池田名誉会長の憲法9条観や歴史観をどのように理解し、自らの思想的布置の中に位置づけているのだろうか?また現在、3項加憲に公明党が慎重な姿勢を示していることを、彼はどう考えているのだろうか?さらに、3項加憲ではなく、2項削除などの改憲案に対して彼はどのようなスタンスをとるのだろうか?
彼の記事を読んでも、よくわからない。彼の記事は、櫻井よし子などの著作に書いてありそうなことと、池田名誉会長の指導、それらのキメラ的パッチワークになっている。
ともあれその立場については学ぶところが多いので、菊川氏の次回作に期待したい。