【やらせ総務省検証委員会】スガファミリー汚職事件について、総務省は事務次官以下の内部検証委員会を設置して調査報告を出したが、すでに答弁で破綻。ジャパンライフの広告塔のカトウ官房長官はこれでいいと言うが、野党議員も参加させ、外部専門家の数を増やしてやり直せ。
総務省によると、調査チームは事務次官をトップに、大臣官房の職員7人と、コンプライアンス(法令順守)問題に詳しい弁護士1人で構成。2月9日に発足させ、接待を受けた幹部職員や正剛氏ら東北新社関係者への聴取のほか、飲食店の領収書、メールのやりとりなどを確認。調査項目を決める際には人事院の国家公務員倫理審査会の指導を受けたという。
24日に公表した調査結果の報告書では、チームに弁護士が参加して「客観性を確保」したと強調しているが、国会へ出席した幹部の答弁が報道を受けて二転三転するなど真相が究明されていないのではないかという疑念は根強い。調査チームには、どんな職員や弁護士が携わったのかも公表されていない。
接待は東北新社の子会社が手掛ける衛星放送の認定・更新時期に集中していた事実もある。総務省は検証委員会を立ち上げ、放送行政に影響を与えたかを調べるが、これも副大臣がトップの内部調査だ。野党は「場合によっては贈収賄にもなりかねない事案だ」として、独立した機関による徹底調査を求める。
加藤勝信官房長官は24日の記者会見で「今回の事案が国民の疑念を招いたことを踏まえ、総務省がしっかり調査を行うべきものだ」と述べるにとどめ、外部有識者の調査には否定的な考えを示した。(川田篤志)