「徹さん…」





侑子の声は、震えていた。 既に、泣きじゃくった後だった。


「良かった、無事だったか。」


徹は、ホッと肩を撫で下ろした。


「…、徹さん、私、あの時、お父さんに殺されてた方が良かったんじゃないかと思うんです。 だって、こんなに辛い思いするなら、死んだ方がマシですよ。」


侑子は、かなり思い詰めていた。


そして、徹はゆっくりと続けた。


「俺は、お前から沢山のモノを貰った。 十分過ぎる位にな。」
「今度は、俺の方からお前に上げる番だよ。」


徹は、何の駆け引きも無しに、ただ純粋に思う言葉を侑子に告げた。



「私は、これからどうしたら良いんですか?」


侑子は、問い掛けた。


「お前の好きにしろよ。 ここで、歌手を辞めても、何も言わないよ。」


徹の言葉に、侑子は無言だった。


「じゃぁ、俺は行くから。」


徹は、そう言って出て行った。









「じゃぁ、払い戻しの手続きをしといてくれ。」


徹は、スタッフと打ち合わせをしていた。









つづく…