土佐丸高校 (高知)_1年夏 | ドカベン観察日記

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ドカベンでおなじみ“水島新司”作品の相当な脇役にスポットをあてた地味なブログです。同じ顔のキャラがいたら、容赦なくツッコミを浴びせていきます。

土佐丸 ● 4-5× ○ 明訓



10回表、超過激な機動力野球「必殺“嵐”作戦」の猛攻で、

すでに150球を投げていた里中が降板するも、その裏、

恋女房の山田が“鳴門の牙”犬飼小次郎からサヨナラ2ラン。

勝利投手は救援し3連続四球で押し出し、三重殺の岩鬼。


【土佐丸高校スタメン】



1番サード: 井神

水島観察日記-土佐丸_井神

初回からただならぬ雰囲気。
異様な構えをして、
土佐丸の不気味さを醸し出すことに成功。
ただ、この格好に何の意味があったのか
未だに分からない。
初回だけ二番、三番バッターも同じ構えをして
あえなく、実にあっさり見逃し三振してるけど。
なぜか背景が燃えてるね。




2番セカンド: 東

水島観察日記-土佐丸_東

画像は、バントシフトで猛烈にダッシュしてきた
土井垣の左ひざを狙った
東のナイスバッティング。
からの、走塁シーン。
このあと土井垣は、東のスパイクに手の甲を
思いっきり踏まれちゃうんだよね。
しかし東は完全に“こそ泥”顔だよね。




3番ファースト: 諸岡

水島観察日記-土佐丸_諸岡

土佐丸の選手にしては、
なぜかダーティーなプレーがなかった。
というか、プレーのシーンがほとんどなかった。
確かに、顔も割と端正で
アクがつよくないしね。
吹き出しには“佐々尾”ってなってるけど
これは原作が間違ってるんだからね。
御大も、諸岡の存在が
地味すぎて忘れてしまったんだね。




4番ピッチャー: 犬飼 小次郎

水島観察日記-土佐丸_小次郎

犬飼三兄弟の長男。
通称“鳴門の牙”。
キャッチボール投法とかしてたけど、
あれなんか意味あるのかね。
初回からそれなりに真面目に投げてれば
普通に勝ってたはず。
あと、クマのような弟をスタメンで使ってれば。
準決勝の抽選で明訓とあたることが決まり、
土井垣が手をさしのべるもあっさりスルー。
なんやこいつと思いきや、
試合敗退後、甲子園に高知の土を捲き、
その足で山田の元に出向いて
「山田くん ナイスバッティング」
さらに里中に対しては
「里中 ナイスファイトだぜ」と
相当クリーンおよびナイスガイな発言を連発。
つかみどころがないキャラではあった。
チリチリのモミアゲが印象的だったね。




5番キャッチャー: 鬼島

水島観察日記-土佐丸_鬼島
打った瞬間、バットまで一緒に放り投げ。
ロッテの早川より悪質。
顔は名前の通り、
鬼みたいなんだよね。下っ端の。




6番レフト: 丹座

水島観察日記-土佐丸_丹座
右目に眼帯をしている。
義眼のプレイヤーは、不知火に次いで二人目だね。
ゲッツーを狙った殿馬のファーストへの送球に対して
一塁ランナーだった丹座はそれを阻止するため
「走りながら送球の方向に顔を持っていき
小さくするどく首を左右に振る。
そしてあたる瞬間にはヘルメットのミッキーマウス
(耳カバー)が顔面をカバーしている」(原作より)
というプレーで併殺を阻止。
小次郎:「たいした技術だぜ」
丹座: 「芸術といってもらいてえなキャプテン」
たしかにあんた、芸術だよ・・・。
このプレイを会得するため、
片眼をうしなったとか。
実際、披露する機会に恵まれて良かったというよりほかない。
ドカベンの作中で、もっとも衝撃的な選手。
なお、素顔はゴルゴにそっくり。




7番ショート: 佐々尾

水島観察日記-土佐丸_佐々尾

里中をリリーフした岩鬼にデッドボールをくらい、
バッターボックス内で卒倒。
土手っ腹に直撃、大丈夫だったのかなぁ。
佐々木信也にちょっとだけ似てる。




8番センター: 梶田

水島観察日記-土佐丸_梶田
軽快に、笑顔でセーフティーバント。
やや内股なのがかわいい。
軽快に二盗を決め、三盗を試みたさい、
サード岩鬼の強烈なタッチをくらいあえなく退場。
殺人スライディングで、殿馬、岩鬼ともに出血。
2盗塁を記録した、隠れた好選手。




9番ライト: 大河

水島観察日記-土佐丸_大河
山田の二塁への送球を露骨に阻止。
現行犯で逮捕されても文句はいえない。
このプレーに天罰が下ったのか、
10回は無死満塁のチャンスでは
止めたバットにボールがあたり
無念のトリプルプレーを喫した。
東海のレフト福田をもっとアクティブにした感じ。




観客席から代走に出た男: 犬飼 武蔵

水島観察日記-土佐丸_武蔵

登場シーンに、誰もが唖然。
学生服の下にしっかりとユニフォームを
着こんでくるあたり、出場する気満々。
東海の雲竜と相撲を取らせてみたい。
負けて涙をみせるあたり、
意外と純粋なんだね。
数年後、
阪神のスタープレーヤーになるとは
誰も予想していなかったという。






     = 総評 =



土佐丸は本当に何を仕出かすか分からない、
不気味なチームだった。
そのいくつかをピックアップしてみる。


・初回の、1~3番打者の怪しげなかまえ
・キャッチボール投法
・10人いるかと思わせる守備体形
・武蔵、観客席からネットを壊しながら乱入



そして後半からはダーティープレーが続出。


・バントの構えからバットを山田のみぞおちに入れ、盗塁の援護(大河)
・殺人スライディング(梶田)
・走者、里中の後頭部を狙った送球(武蔵)
・ビーンボール(小次郎)
・バット放り投げ(鬼島)
・送球をヘルメットにあて併殺を阻止(丹座)
・走塁中、転倒した土井垣の手の甲をスパイクで踏みつける(東)

などなど。



このラフプレーに、岩鬼が孤軍奮闘。
強烈なタッチで梶田を退場に追い込んだり
ピッチングでは三社連続デッドボールを食らわせたり。


こんだけめちゃくちゃなプレーをしておきながら、
敗退後は明訓選手に激励の言葉をかけるなど
急にいい人キャラに。
芦屋旅館では、従業員に対して
土佐丸ナイン一同
「おせわになりました」と一礼。


ギリギリのプレーをしてまで勝ちたかったのなら、
キャッチボール投法なんてしなければ良かったのにね。
武蔵もスタメンで使うべき。


土佐丸ナインが去ったあと、旅館のおっさんは山田に向かって
「野球する者に悪人はいないってほんまやな 山田くん」
と涙する。
いやいやいやあんたたち、じゅうぶん悪だったから(笑)