植物の細胞の中で葉緑体などの物質が動く現象「原形質流動」のメカニズムを、京都大学大学院理学研究科の西村いくこ教授(植物分子細胞生物学)らの研究チームが世界で初めて解明し、今週中に米科学誌「米国科学アカデミー紀要」(電子版)に掲載される。

 原形質流動は高校の教科書にも掲載されている有名な現象。多くの科学者が仕組みを調べてきたが実証できておらず、200年来の謎といわれていた。

 研究チームは、植物の細胞内にある大きな器官が原形質流動にかかわっていると予測し、タンパク質などを作る植物の内壁全体にある器官「小胞体」に着目。アブラナ科の植物「シロイヌナズナ」の葉から小胞体のみを取り出して調べた。

 その結果、小胞体に、細胞中の物質を動かす働きがある特定のタンパク質が結合していることを確認した。

 さらに、このタンパク質が小胞体を動かしていることを発見。細胞の内壁全体にある小胞体が動くことで、葉緑体など他の物質も巻き込まれて流されることがわかった。

 研究チームは「植物が何のために原形質流動を行っているのかまでは突き止められていない。しかし、メカニズムの発見で、その解明の一歩となった」としている。

【関連記事】
植物の気孔の数を増加させる方法を発見 京大チーム
大学ブランド「おいしい」商品化 研究成果を食卓でアピール
世界の食糧危機を救う? 細菌感染植物の“心中”メカニズム解明 京大チーム
ニキビ発生抑える成分発見 資生堂 化粧品応用に期待
若い肌の“味方”開発 「肌の再生を促す手入れを忘れないで」

鳩山首相、邦夫氏離党「留守電聞いてなかった」(産経新聞)
10年度予算、24日成立=民・自が採決で合意(時事通信)
結果次第で見直し?6月までに子ども手当試算(読売新聞)
奈良県立美術館でM.C.エッシャー展始まる 80作品を紹介(産経新聞)
<粉飾決算>「ニイウスコー」元会長ら告発 証取法違反容疑(毎日新聞)