浮羽稲荷神社への月参りをしてきました。
平日の朝、静かで良いなぁと
のんびり石段を登り終えたら…
なんと、悲しいことに
拝殿向かって左側の狛狐像に
黒い帽子が被せられていました…。
帽子本体と同じ素材で作られた花が飾りで付いている、ツバの広い日除け用の帽子。
おそらく、忘れ物か、落とし物…
新品の感じではなく、人が使っていたものだと思います。
それを、まさかの狛狐像に…。
人間のお下がりで、地面に落ちていたかも知れなくて、しかも黒。
被せたというよりも、ポイッと乗せられたようなそれは、狛狐の顔が全く見えないほど深々と覆いかぶさっていて…
一瞬のうちに、驚きとザワつきと、小さな憤慨が駆け巡り
その後すぐに、やるせない気持ちになりました。
" 何でこんなことするかなぁ… "
悲しい気持ちでそれを除け
参拝を終えて、次は奥宮の松尾神社へ。
ところがそこでも
いたたまれない気持ちに…。
来るたびに、お社の前に増えているお供えもののお酒の瓶。
枯れ葉や埃、蜘蛛の巣が集まる原因にもなっているようで、お社の前が " 散らかった部屋 " のようになってしまっています。
" 持ち帰らなければならないことを、みんなが知っていたらなぁ "
そう思いながら
神様の通り道を開けるために
汚れた瓶たちをお社の外へ出して、脇へ寄せました。
そして、参拝。
何となく気持ちが低い方へ引っ張られたまま
帰り際、御神体の方を振り向くと
あぁ……。
最近は訳あって
どこの神社でも社殿や御神体を写真に撮らないように努めているのですが、今日は撮らせてもらいました。
御神体の側面で光を反射して光っているのは、全て『小銭』です。
写真を拡大すると多少分かりますが
光っていないところにも小銭はたくさんあり、岩のひび割れの隙間にも、幾つも無理やり差し込まれていました。
もう言葉がありません。
狛狐像の頭に乗せられている小銭を降ろしたり、今日のように帽子を除けたり、お酒を少し片付けたりと
それくらいのことまでは出来るのですが
これはお手上げです。
私がこの小銭を全て取り除いて差し上げることは出来ません。
近くに『禁止』の札が置かれている訳でもないので、この行為が正か否か判断はできないのですが
まるで人間のエゴをゴリゴリと押し込んでいるように見えて
私の目にはとても嫌な光景に映り
人間のせいで神様が…神域が…
と、悲しくやるせない参拝になってしまいました。
そんな参拝のさなか
浮羽稲荷神社から松尾神社へ向かう途中で
実は左足の靴底が外れてしまいました。
そんなに頻繁には履かないパンプス。
昨日までは何ともなかったのに…
不吉…とまでは言わないまでも、やはり気分は下がります。
もちろん、ただの偶然もあり得るでしょうが
不思議なことをさらりと現実界に引き起こす神様がいらっしゃる浮羽稲荷神社での出来事を看過することは難しいです。
低いところを漂う気持ちと
壊れたパンプス…
最後に社殿の前を通る時と
鳥居をくぐる時に
トンボが勢いよくお見送りしてくれたことが
せめてもの救いでした。