「ばあちゃーーーーーーーーーーーーーーーん」
畑にいる婆ちゃんに向かって声をかける
緑の中からひょっこと姿を現すばあちゃん
「おお ようきたなぁ」と
しわくちゃの顔をさらにしわくちゃにして笑う
12歳のワタシは初めてばあちゃんちに一人旅
さっそくばあちゃんはトウモロコシとキンキンに冷えた麦茶を
縁側で私にごちそうしてくれる
じぶんちで食べるトウモロコシは
ばあちゃんが毎年送ってくれるものだけど
なんでこうも味が違うのだろう
にまにましながら食べていると
ばあちゃんが「さてと・・ もう少し畑してくるから
ここ すわっとき」
「ううん いっしょにいく!」
「そうけ 帽子かぶっといで」
麦わら帽をかぶってばあちゃんと一緒に畑に行く
じりじりとした太陽に照らされた自分の影
ふっと 鳥の鳴き声で空をみると
自分の影が空に映ってておどろいた!
夕飯時にそのことをばあちゃんにいうと
「あぁ それは『かげおくり』やな」と
教えてくれた
※影送り(かげおくり)
良く晴れた日中に、地面に何もなく自分の体が他の物体の影に入らないような状態の場所で
自分の影を10秒程度じっと見つめ、
それからすぐに空を見つめると、
さっきまで見ていた自分の影が5秒程度映るという現象のことをいう。
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この「影」というワードを見たとき
もう自分の脳みそには
「ちいちゃんのかげおくり」という絵本しか出てこなくて
ちゃんと読んだことはないんだけど
夏ならではの戦争を書いた絵本ってことしか知らなくて
なんなら 作者と挿絵画家とかも間違って覚えてたくらいで(笑)
そんなことを思いながら書いてみました