カランコロン

 

ドアベルが鳴る

 

 

通り雨に降られて喫茶店へと逃げ込んだ

 

 

なんとも昭和チックな喫茶店

 

 

 

「いらっしゃいませ」と

声をかけられる

 

「あー・・・・ ホットコーヒー」

 

 

店内に流れる音楽も昭和チックだ

 

 

 

 

あ・・・

 

ハマショーの「路地裏の少年」

 

久しぶりに聞く

懐かしいな 

昔付き合ってた彼女とコンサート行ったなぁ

 

 

運ばれてきたコーヒーを飲もうとしたら

テーブルに置かれているノートに目が留まった

 

こーゆーの何て言うんだっけ?

らくがき帳?

 

 

しばらく雨はやみそうにもない

スマホをしまい

ノートをめくる

 

恋愛の悩み 受験のはけ口 仕事の愚痴

楽しそうな文字 悲しそうな文字

色んな感情があふれていた

 

 

 

見入ってるまに雨が止んだようだ

時計を見ると結構な時間が過ぎていた

 

すっかり冷めたコーヒーを飲み干し

慌てて店をでると 空には虹が浮かんでいた