戻ってきた。自分の部屋だ。相変わらず、殺風景な・・・。
それから数日。大学での授業を終えた金曜日の夜に、僕は再び、時計を前にして考えていた。今度はいつに行こう。明日は休みだし、ハードな日程でもいけそうだ。
高校での上履きを忘れた女子の目撃体験はまだいくつかあるものの、次に気になっているのは中学校。記憶は怪しいものだが、よし、じゃあ中学時代にでも戻ってみるか。中学時代といえばあれだ。これまでとは違って、上履き忘れではない。夏真っ盛りの暑い暑い時期、わざと上履きを履いていなかった女の子がいた。それも同じクラス。それを狙おう。いつだったか、夏、だったよな、確実に。うーん、記憶がない。そうだ、中学校の卒アル。これをみて、ドキドキした経験がある。ええと、どこにしまったっけ。確か実家から持ってきていたはずだ。ロフトだろうか。僕の部屋には収納式のハシゴがあって、それを引き出すと、申し訳程度のロフトに上がることができる。もともと眠る場所として、2、3日は使っていたが、ギシギシ言うし、何かあったら逃げるのに手間取るし、何より狭いと言う理由から、そこは現在、物置として使っている。小学校から中学、高校の卒アルは全てそこのどこかにあるはずだ。
高校での上履きを忘れた女子の目撃体験はまだいくつかあるものの、次に気になっているのは中学校。記憶は怪しいものだが、よし、じゃあ中学時代にでも戻ってみるか。中学時代といえばあれだ。これまでとは違って、上履き忘れではない。夏真っ盛りの暑い暑い時期、わざと上履きを履いていなかった女の子がいた。それも同じクラス。それを狙おう。いつだったか、夏、だったよな、確実に。うーん、記憶がない。そうだ、中学校の卒アル。これをみて、ドキドキした経験がある。ええと、どこにしまったっけ。確か実家から持ってきていたはずだ。ロフトだろうか。僕の部屋には収納式のハシゴがあって、それを引き出すと、申し訳程度のロフトに上がることができる。もともと眠る場所として、2、3日は使っていたが、ギシギシ言うし、何かあったら逃げるのに手間取るし、何より狭いと言う理由から、そこは現在、物置として使っている。小学校から中学、高校の卒アルは全てそこのどこかにあるはずだ。
ロフトに登って探し始めて2時間、ほこりまみれになりながら、ようやく3冊の卒アルとその他、懐かしいものたちを手に、僕はリビングに降り立った。・・・一旦、お風呂に入ろう。
お風呂上がり、水分補給をした僕は、早速中学校の卒アルを開いた。学校の写真に始まり、校歌、先生、クラス写真、そして・・・あった。クラス内でくじ引きでランダムに選ばれた6人ごとの班で自由に撮ったグループ写真。僕が写るその写真の中に、彼女の姿があった。真夏に写した写真で、みんなの制服は半袖の夏服。学校の屋上で撮られたその写真には、学校から見える雄大な山々と澄んだ青空を背景に、屋上に足を伸ばして座っている6人の中学生。カメラに向けられたその足の裏は、5人は上履きの裏だが、たった一人、その子だけは、足の形に灰色の跡がついた、白ソックスの足裏だ。汚れた白ソックスの足の裏を恥ずかしがる様子もなくカメラに向け、飛とびきりの笑顔でピースしている。なんともいいようのないほど可愛らしい。僕は覚えている。写真を撮ってくれたおじさんが、撮影終了後、この足裏を見て、笑ったことを。真っ黒だなあ、と。恥ずかしくないのか?と尋ねたのを。それに彼女はなんと答えたのだろう・・・。そこまでは記憶にない。まあ、いいか。これから確かめられるのだから。彼女は毎年のように、夏のある一定の期間、このように上履きを履かずに過ごしていた。靴下だけで、校内を過ごしていた。その中の何日かに行ってみよう。ええと、あった。グループ写真の中に、教室で撮ったものがあり、写り込んだ黒板に、その時の日付がうかがえる。7月12日。夏休みの直前だ。その時に行こう。20XX年、7月12日。時間は・・・、また朝でいいか。7時。よし、じゃあ、いつものように。
ポチ。
つづく