大分頑張ったところで休憩に入る。まだまだ酔いは醒めないようで、女子3人は裸足の上機嫌のままだ。マサシとユイも一向に目を覚ます気配がない。
次はなにしようかということで、この歳になって鬼ごっこをすることになった。相変わらす靴を履く様子のないアサミの提案に、他の女子やナオキまで賛成してしまった。しかし、裸足の足裏が見れるかもということで、私も参加。それから夕方まで、公園ないではしゃぎ回ったのだった。
それから1時間後には、みんな疲れ切って、ビニールシートの上に寝そべっていた。うつぶせで寝ているショウコの足裏がばっちり見えている。ストッキングの足裏は土で焦げ茶色に。素足の足裏とはまた違った興奮を覚える。すっかり酔いを醒ましたユイとマサシは、元気そうに何があったのか、こちらも少々疲れてはいるがおきているナオキに聞いている。私もまた疲れ切って、頭もいたい。
大分日も傾いてきて、帰ろうかとしたとき、カオルが叫んだ。
ちょ、まち!あたしのくつがない!
みんないっせいに彼女の方を見る。未だ裸足のまま、ビニールシートの周りをうろうろしている。その他の女子はすでに靴を履いていた。足裏は汚れたままなのだが、家で拭くのだろう。
探してみることにしたが、なにぶん開けた公園内。そばに靴がないのはすぐに判明した。わたしもカオルが靴を脱いだ場面は覚えている。バドミントンをしてる時、動きにくかったようで、酔った勢いでぽいぽいと脱ぎ捨てて、鬼ごっこが終わるまでそのままだった。きちんとビニールシートのまえに脱いだ靴を置いておいたショウコやアサミは、なんともない。
どうしようかとおろおろしていたカオルだったが、まあ、どこかに靴屋さんがあるだろうということで、公園内を出口に向かって裸足のまま歩き出した。まだ酒が残っているようだ。足元はおぼつかない。私は、惜しいとも思ったが、その場でみんなと別れた。パソコンの生放送があったのだ。じゃあね~!と手を振る私たちの頭に、風で飛んだ桜の花びらが落ちてきた。
後日、大学であの後どうなったのか聞いてみると、カオルは近くの商店でサンダルを購入して履いて帰ったそう。少し残念に感じた。うららかな春の一日だった。
おわり