脱衣所に入る。結構きれいだ。ある程度汚れてしまった靴下を脱ぐと、素足も汚れていた。入浴時間は20分。短い。急いで体と頭を洗うと、湯船につかる。期待していた夜景・・・!大きな窓ガラスから見えた。光が点々としている。曇らないようになっているのか。鮮明に見えた。みんな歓声を上げていた。一日の疲れや上履きを忘れたショックも和らいだ。
浴室を出て、体をふき、着替える。パジャマは体操服だ。夏用の、半そで半ズボン、そして冬用の長袖。色は紺。一年ずれると真っ赤、一年早いと、黄色。3年並んで信号機。なんでこんな色なんだろう。紺でよかったよ。一応下も長ズボンもあるが、暑くて、履かなかった。もともと持ってきてないけど。そして、靴下は、みんな履いてない。お風呂上がりだから、当たり前か。マサミも、靴下は履かず、着替えをしまうと髪を乾かす。肩まで伸ばしている。いつもはこれを2つにくくっている。
「じゃあ、行こうか!」
「あ、まって!」
長くとどまり過ぎたらしく、マサミ以外の子達はもう上履きを履いていた。素足でだ。なんかおかしい感じ。マサミもそのまま荷物を持って、素足でスリッパを履いて、部屋に戻る。一人だけスリッパというのも、恥ずかしい。
部屋につくと、消灯時間の9時30分までまでは自由。といっても学校なのでなにもなく、友達同士でおしゃべりをしているとすぐに9時になった。部屋長会議の時間だ。
「あ、もうすぐ9時だ。じゃあ、行ってくるね!」
「いってらっしゃい!ちゃんと聞いてきてね、連絡。」
「もちろん!」
部屋長会議は担任の先生の部屋である。廊下の端の部屋だ。ドアをノックすると返事が。中に入ると、まだ何人かそろっていない。仲のいい人と話していると、全員揃ったので、先生が明日の予定を簡潔に説明する。一応しおりに書いてあるが、変更点や大事なことを書き込む。
先生の部屋もだが、部屋は畳が敷いてあり、みんな上履きを脱いで入る。マサミはスリッパできたのだが、素足なのはマサミだけだった。少し恥ずかしい。みんなしっかりものばかり。なんで部屋長になったのかな?
15分くらいで会議は終了。自分の部屋に戻り、寝る準備。ふとんを敷く。家ではベッドに寝ているマサミは、畳の上に寝るのはひさしぶり。真っ白なシーツにふかふかの掛け布団、柔らかく気持ちいいピロー。ふとんに入ると、寝心地はとてもいいのに、落ち着かない。目が冴えている。他の子も同様、寝られないらしく、おしゃべりが始まる。先生に気づかれないよう、小さな声で…。
つづく