今頃の若い人はあまり工具を使わないらしい。

 

製造業に仕事で訪問することがあるのですが、若い人がほとんど入社しないそうです。

 

たまに若い方がいる企業さんにいくけども、会社に入るまで、ドライバーを使ったことがない方ばかりだそうです。ゴルフじゃありませんよ。

 

今の方は、出来ているものを使いこなすことには長けているようです。ゲームであるとか。

 

考えるに、今の若い人が使っているものは、内部の構成、完成品としての技術レベルが高過ぎて、自分で製作、修理なんてとても無理なのでしょう。

 

ゲームはインターネットの通信技術、ソフトウェア技術、操作するハードの機能と製造技術。それらの上に成立しています。とても素人が介在できるような修理できるようなものじゃないですね。

 

世の中は考えるに、これらを供給するメーカー、プロバイダーが存在し、他方それを使って楽しむユーザーに完璧に2極化しています。供給側、享受する側。

 

昔はハードが壊れると、修理屋さんがいて、修理自体が一つの業務として成り立っていましたが、もうメーカーもカスタマーサポート分門を縮小して、不具合があれば基板ごと総とっかえを推奨するようになりました。

 

テクノロジーがハイレベル化して修理なんて概念がなくなってしまったようです。

 

 ずっとゲームから離れられない息子に、言ってきたことは、ただただゲームばかりするのではなく、ゲームソフトを作る側になってはどうか。なんとかクリエイトする側になってほしくて言った言葉なのですが。

 

考えるにソフト自体は芸術性が求められます。ストーリーや画像、いわば映画を作るような能力。もちろん才能のない息子にはムリ。

 

 

 

希望は若い人には自分で手を使って、考えてものを作ることをやってほしいなあ、ということ。

 

 

「古いハードは捨てて、新しい物を買え」これは日本のメーカーの経営方針です。

 

 これに抗っている人がいます。いえ、彼が抗っているのではなく、古い物を使い続けたいという一般消費者の方の要望があり、彼は行動しているだけなのですが、三重県津市の山奥で修理屋さんを営んでいる、今井和美さん。

 

YOUTUBEでもTVでも有名になった方です。すぐに見つかりますし、すでにご存知の方も多いとおもいます。

過去3万点の家電を修理した実績。

 

動画の中で、送り込まれた不具合品を見ながらの、原因を追究していく途中の一言一言が、とても重みがあるのです。症状と現象から、想定される原因をポツリポツリと独り言で口にされるのですが、全く理にかなっています。

 

最後は動作するようになった機械に向かって、「鳴ったねえ」「動いたねえ」という彼のカン高い笑い声が見ている人の心を動かします。

 

私は恐らく彼と同年代。同じ仕事をしたいと切に思うのですが、弟子入りするには年令的にムリがあります。

 

 若い方に登場していただき、彼のもとで修業して一人前になってほしいのです。そして今井さんは、決して感情が高ぶることもない方なので、指導方法もすばらしいのではないかと思っています。