6L6GA SW-30 パワーアンプ ⑤ 電圧配分で失敗 | トニーのゆっくり回覧版  真空管アンプ自作のブログ

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配線を進めています。

 

当初、使いたかったコンデンサー類も、シャーシ内のスペースの制約上、小型の物への変更を余儀なくされました。

 

 

カップリングコンデンサー。松下製の灰色のハーメチックコンデンサーは大きすぎて下の茶色の箔フィルム製のものに変更。

 

 

 

 

位相反転段のグリッド結合用のコンデンサー。スプラグオレンジドロップ。やはり見ての通り大きすぎて、下のTRWのコンデンサーに。

 

 

出力管のバイアス回路。小型部品に替えていませんが、コンデンサーを抵抗に抱き合わせて、全体を小型化しています。

 

このようにアンプを小型化するために苦労しています。基本的にアンプはだだっ広いシャーシに組むのは好きじゃないのです。上杉佳郎さんも基本アンプは小型にすべきだとおっしゃっていました。見た目もありますが、部屋の置場も限られていますので。

 

 

さて、出力段に上のバイアス回路を組み込み、グリッド周りも部品を実装しました。

やっと出力管を挿して実際のB電圧、プレート電圧が確認できます。

 

出力管を4本差して、電源を投入したところ、予想外の事態に。プレート電圧が300Vしか出ません。きちんとトランスの一次側に100Vを印加しているにもかかわらずです。出力管のカソード電圧は25Vありますから、電流は正規に流れています。

 

困りましたね。事前の検討ではチョークインプットで380V出ることになっていたのですが。このままでは有効プレート電圧が275V、スクリーングリッドはチェナーダイオードで100Vを落しているので175Vです。

 

出力が取れませんね。仕方なく電源回路をコンデンサーインプットに変更しました。下の画像が変更後です。コンデンサーは100μF450Vのニチコン製を2個にしました。とても小型化されたコンデンサーです。

 

 

変更後は出力管を6L6GCにしてテストしました。6L6GAは高電圧は掛けられないので。

プレート電圧は435V になりました。今度は高すぎます。いろいろもがいてみました。ブリッジダイオードを旧品のSD-1にすれば効率が落ちて、400V程度になるのではと淡い期待をしたのですが、変化はありませんでした。

 

実はコンデンサーの耐圧は450Vなのですが、スイッチをONにした直後は470V程度の電圧がかかり、そのうち435Vに落ちていくのです。実はこれは世の中の管球アンプ全てに言えるのですが、ONしてすぐは電源のコンデンサーは耐圧オーバーの状態になるものが結構多いのではないか。電荷が溜まる前はこの状態でもOKなのかなと勝手に想像してごまかしています。

 

 気休めにブリーダー抵抗をパラで入れたら、立ち上がりの電圧は少しでも低くなるのではと考えて、470KΩをパラでいれてみました。結果的に電圧は変化なし。この抵抗に流れる電流は1mA程度なので、何の役にも立っていないのかも。もっとブリーダー電流を増やそうと、抵抗値を270KΩとか、変えて計算しましたが消費電力が大きくなり、10Wから20W級の抵抗が必用になり却下。そのままです。

 

 ただし心なしか、470Vから低下し始める時間が短くなったような気がします。正確にストップウォッチで測っていませんので何とも言えません。

 

あとの手立ては、前段管3本をこの段階で挿していませんので、挿せば電流が14mA程度増えますから、電圧はまだ10V 程度下がりそうな気はしています。

 

それから、どうしても電圧が400V 以上なら、規格の小さい6L6GAから6L6GC へ変更しようと思っています。6L6GCを挿したときに、SP端子の残留ノイズを測ったら、0.1mV と0.2mVでした。GE製のこの球は本当に優秀です。

 

今回チョークインプットで電圧が低下してしまったのは、この電源トランス・9A56B の固有のレギュレーションの問題なのでしょう。要はそれ用に設計されていないということでしょうか。

 

 さてこのあと残りの前段部分を終わらせて様子を見ることにします。