異形穴の前に、今回のアンプ製作の流れに従い、側板のつくり方を説明します。

 

但し、この作業には折り曲げ機が必要なので、お持ちでない方は、こんなものかなとサラッと流してご覧ください。

 

先日アルミの切断方法を説明しました。

 

あの方法で400×300のアルミを切断します。360×75を2枚、205×75を2枚切り出します。

側板は折り曲げますので、曲げの谷側に曲げやすいように切込みを入れます。3回程度。また曲げ分部のコーナー部は45度でカットしておきます。

 

 

 

 

ここで折り曲げ機を作業台にC型クランプで2カ所固定します。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで1枚ずつ上下の折り曲げ部を、えいやと90度曲げます。

 

 

 

4本全て曲げたところです。

 

 

端部を45度、斜めに研磨します。コーナー部をすき間なくぴったり合わせるためです。

 

 

 

側板を突き合わせたコーナーに内側からアルミアングルを当てて、ネジで締め付けて固定する構造とします。

アングルを作っていきます。先ず初めに50ミリにカットします。4本。

 

 

私が持っているノコギリ2種です。

 

 

 

カット後、4個を重ねて長さを揃えます。ヤスリの出番です。

 

ヤスリの説明をしておきますね。下は半丸ヤスリ三種。半丸は片方が平らで、反対側は半円になっています。

 

ついでに丸ヤスリ。細い物(Φ3)と中程度Φ8のものです。

 

 

最後は三角ヤスリと四角ヤスリです。一辺が4ミリ程度です。細かな異形穴の直線部やコーナーを90度に加工するのに便利です。直線部は半丸を使うこともあります。

 

ヤスリもこれくらいあれば、大抵の加工は間に合います。

 

 

さて側板の方にΦ3で両端に2個ずつ穴を明けます。ここはΦ2.6の皿ネジで締めるので、穴の周囲をさらっておきます。

 

 

側板側の穴あけが終わったら、今度はアングルの方に穴を明けます。側板、長短のコーナー部をぴったり合わせて、さらに内側からアングルを突き当てて、側板の穴から、えんぴつで丸を描いて、アングル加工のターゲットにします。

 

アングルに穴を明けたら、側板に取り付けて皿ネジで締め付けます。アングルの穴は位置精度が必要なので、ハンドドリルで正確に明けます。

 

 

 

4カ所すべて締め付けて、様子を見ます。やはりすき間が開いていますね。パテで埋めて黒く塗装します。これで何とかなります。

 

 

側板の上に天板を乗せて、塗装が終わったばかりのトランス類、真空管を置いてみました。

 

 

自分で側板が作れるようになると、自分の希望通りの大きさのシャーシが作れます。

 

そこまでやらなくても、既製品のシャーシで十分なのですが。

 

私はシャーシの前後方向を比較的短くしてコンパクトな印象のアンプにしたいのとオリジナルにこだわるので、時々今回のようにシャーシから製作しています。

 

次回はこのままアンプ製作シリーズをスタートさせます。

 

この次は側板と天板の固定用穴を明けるのと、側板の加工(スイッチ、SP端子、パイロットランプ、ACインレット、ヒューズなど)、底板の製作。つぎは塗装。そして配線へと続きます。

 

サンスイのSWシリーズは、鮮度がよくきれいな音がします。プラスで私がいい音がする出力管の5本の指に入ると考えているシルバニアの6L6GAを使います。この組み合わせは初めてなのでとても楽しみです。