製作依頼を受けていて、A1020が何とかなったら、次に作るのは表題のイコライザアンプです。

 

実は何年か前にC-8を、ステレオで1ケースに組み込んだことがあります。

 

ステレオコンペンセータと名付けて、ブログで製作過程を紹介したのですが、みなさんあまりご興味がなかったようです。

 

マッキントッシュC-8の何がすごいかと言えば、モノラルプリアンプではありますが、10個のスライドスイッチを駆使すれば1024通りのイコライザカーブが実現できるところです。

 

歴史を紐解きますと、1950年代以前の各国のレコード会社は録音時に自社独自のイコライザカーブを使用してレコードを録音していました。それこそコロンビアやヴィクターなどたくさんのレコード会社の数だけイコライザカーブが存在していたのです。

 

これではレコードのユーザーは通常ひとつのイコライザカーブの機械しか所有しておらず、これで多種カーブのレコードを聴いていては、多くはまともな音で再生されないという問題があり、50年代に録音カーブは世界標準としてRIAAに統一されたのです。

 

さてRIAA統一はそれはそれでいいのですが、過去の各社の夥しいオリジナルカーブのレコードたちはどうやって聴けばいいんだと、レコードコレクタが困っていました。

 

そこに登場したのがマッキントッシュのC-8プリアンプなのです。

 

回路図をご覧ください。モノラルです。

 

 

 

 

 

使用するときはモノラルを2台と電源がもともと内蔵されていませんでしたので、マニアの方は下の状態で使用していました。

この写真はハイファイ堂様の3年前の写真を勝手に使わせていただいています。問題があれば削除しますのでご連絡をお願いいたします。

 

 

 

そして私は上記のセットを1台のステレオプリアンプに組込みました。それが下の写真です。

 

 

ステレオコンペンセーターと名付けて勝手に呼んでいましたが、正確にはコンペンセーターとはラウドネス回路のことを言います。広義の意味で調整機と言う呼び方もあるようで、私は気に入ってこのプリアンプをコンペンセーターと呼んでいました。

 

残念ながら、このプリは私の希望価格の5分の1でよく使い方も分からない方に落札されていきました。

 

 

 

依頼者様は、この最近どこかでC-8の1024通りのイコライザの話をインスパイヤされたようで、当初はプリアンプを作ってくれないかと言う話でしたが、イコライザ部だけでよいということになりました。

 

つまり回路的には、下の青く囲った部分をステレオで組むということになったのです。

 

 

実機としては、上のプリアンプの正面写真の上半分を作ればよいということになります。

 

結局真空管は3本で完結です。ツマミ、SW類は、電源スイッチとランブルフィルター(LOWカット)の切り換えSW、そしてスライドSW10個で完結になります。

 

A1020のケリがついたら、このイコライザを作ろうと思います。

 

心配なのはマイカコンデンサがそろっているかどうかです。そのうちシリーズをスタートさせたいと考えています。