パーツボックスを捜したらRJ-13可変抵抗がありました。発注しなくてよかった。
早速取り換えました。これでバイアス調整はスムーズになりました。
ここで面白いことが分かりました。
バイアス電圧はヒーター点火電圧-48Vより深くなりません。1KΩを挟むとVR109やVR110 にかかる最も深いバイアス電圧は-44Vです。
実は手持ちの6RA8は、バイアスを一番深くしても電流が60mA流れてしまいます。
エミッションが大きいのでしょう。A1020のバイアス調整範囲を超えてしまっています。ええいと間の1KΩを取って、直接-48Vまで深くしましたがやはり60mAを超えてしまいます。
世の中のA1020はどうなっているのでしょうか。バイアス電流も個別に測定できない仕様なので(カソードが直接アースされている)、無監視状態で大きな電流のまま使用されているものもあるんじゃないかと思います。それでも鳴っているなら、真空管が強いということになります。
実はこの状態でもA1020のSP端子の残留ノイズは左右ともに0.3mVです。ラックスのキットは優秀ですね。
この時点でもう6RA8で鳴らすのはやめます。回路を変更してバイアスを-50Vまでかけてみようと具体的に回路まで考えたのですが、これ以上はやめておきます。
いよいよ6BQ5カソードバイアスPPの本来のサステナブル仕様の方に変更します。
現状A1020のプレート電圧は335Vあります。実は6BQ5はプレート電圧は300V以下で使うように指定されています。
バイアス電流はPPの2本で80mAです。バイアス抵抗は150Ωにします。
これによりバイアス電圧は12Vとなるので、プレートには300V+12V=312Vを掛ければいいわけです。
このアンプの電源トランスの二次側高圧巻線は250V/260mAです。巻線と整流素子の間に50Ω/10Wのセメント抵抗を入れます。ここの電圧降下はアンプの全電流が無負荷時180mAなので9V。巻線電圧250Vから9Vを引くと241Vになります。
241VをRA-1 というひと昔前の、いやいや10年ひと昔なら、5昔まえのダイオードで整流すると1.3倍程度になりますから、B電圧は241V×1.3=313V。
この目論見がうまく行けば、計算通りに6BQ5 は動作させることができるのですが、さてどうでしょう。
明日は15時台の列車で鳥取に向かいます。ひょっとすると午前中に結果が出るかもしれません。
さらば6AR8。そしてA1020は未来永劫6BQ5というパートナーを得て、使い続けることができるのです。
また報告しますね。