早いなあ。もう10年経ってる。

 

製作依頼されて作ったのがついこの前のような気がします。

 

10年前の夏に完成させたアンプです。当時はブログはココログだったと思います。その頃からの読者の方はご存じの方もいらっしゃると思います。

 

依頼者の方もアンプを自作される方でした。ご自身のアンプに満足がいかなくて、業者に依頼して何台か真空管アンプを作っていただいていたようでした。その写真もみせてもらったことがあるのですが、羽目を外さない、手堅い仕様のアンプでした。

 

あるとき、オークションで私のアンプを落札され、そこからお付き合いが始まりました。

この球で作ってほしい、次はこの球でと、8台くらいは製作したと思います。

 

手持ちに305Dという球がある。名前はあまり聞かない球だけど、どうやら205Dと同じ仕様らしい、とのことでシングルアンプを作ることになったのです。

 

 

 

 

 

 

米国製のカッコいいフューズホルダが手に入ったので、前面に取り付けるとお話したら、そういう発想がなかったようで、確かにヒューズは電源スイッチの近くだから、前に持ってきてもいいのだけど、とあまり乗り気でなかったようでしたが、現品の写真を見せたらそんな考えも吹っ飛んだ感じで、感動してらっしゃいました。

 

製作中に整流管に水銀整流の83だかを使ってくれいないかと言う要望も出されました。私は水銀整流管を使った経験もないし、2段階電源投入の必要もありそうだし、できないと断ったらえらく恐縮されたみたいで、無理を言って申し訳ないと言われました。

 

205Dを使うのも初めてで私も余裕がなかったのでしょう。

 

そんなこんなで組み立ててお送りしました。発送まえの手元でのテストでは音を確認するよりも、問題なく鳴るかどうかの確認がメインでした。

 

回路は2段増幅。初段は6SQ7 のハイμ三極管です。ちょうどシャーシ上のメーターとメーターの間に入れ込むようにレイアウトしました。

 

われながらコンパクトに、機能的にできて満足したものです。すごくいい音で鳴ると感謝いただきました。

 

このアンプは正面パネルがキーでした。メーターは必ずつけようと思っていたのです。正面からみると少し「ふなっしー」に似ていますね。

 

もう10年です。50代なかばの私は結構精力的でした。「言われたものは何でも作ってみる」と言う気持ちが強かったのです。

 

最近はアンプも似たものばかり。プリアンプの方に中心を移していますが、すでにプリも似たり寄ったりになってきています。

 

そうそう今は目標アンプでしたね。ほちぼちやります。