この最近も、横断歩道を通行中の子供たちを、84才の高齢者が信号を見間違って、はねてしまったという事故が発生しました。

 

高齢者の事故が起こるたびに、メディアは高齢者にいつまでも運転させるのは危険だと、免許返納の促進を訴えます。

 

あってはならない事態だと思います。

 

ただ冷静に考えれば、この手の事故報道は数か月から半年の間で1件報道される頻度です。

逆に考えれば、20代~50代の運転者が発生させている交通死亡事故の方が圧倒的に件数が多いのです。こういう事故の報道はメディアも視聴率が上がるので報道に前向きになるのかもしれません

 

今回の運転手は84才。うちのご近所のHさんは現在90才で、先月免許を返納しました。Hさんは、奥さんの足が悪くて買い物にも行けず、一緒に車ででかけていました。返納を進言していた娘さんは近くにおり、今後は買い物に連れて行ってくれるのでしょう。

 

地方では車がないと生活できない方が多いのです。他人への加害事故を考えれば免許返納も妥当な対応です。しかし返納後はどんな生活になるのでしょうか。

 

毎日、無料でコミュニティーバスが走っているなら、それを利用するのもいいでしょうが、そうそうどこにも走っているわけではありません。娘や息子たちも離れていれば、助けてもらえません。

 

時々やって来るヘルパーさんに買い物を頼む手もありますが、ヘルパーさんはあるレベルで介護認定されないと来てもらえません。自立して一人で歩けるなら、近年は介護認定されません。

 

どうすればいいのでしょうか。

高齢者には引き続き運転をしてもらっていいと思います。生活できないのですから。

 

ただしテクノロジーのサポートが必須となります。自動車自体に、安全運転維持の装置を取り付けるのです。人感センサーで人が近づくとスピードが落ちる、アクセル・ブレーキ踏み間違い防止で、何度もアクセルを踏み込むと自動で止まる、もっとハイレベルで、衛星による監視システムで、「走行車がこのまま進めば、歩行者をはねる」と言う状況を感知すれば、車に対してなんらかのアラームが出る。

 

 これらは既に実用化されている物もあるでしょう。これから高齢者がどんどん増えていく状況を考えれば、自動車メーカーも、またそこに大きな市場があるのではないかと思います。