昨日の加工作業で肉体疲労が少し残ってしまいました。
朝から降り出した雨もあって、今日は加工は中止。
ゆっくり図面を描いていました。
私が何時も言ってる、自作品でもデザインを気にしないアンプでは、使っていても愛着が湧かないのではと思うのです。
でもいいデザインが思い浮かばないという方もいらっしゃるかもしれません。いいデザインを手に入れようと思うなら、たくさんのアンプを見ればいいと思います。これが早い方法。
何となくいいデザインアンプは形がまとまっていると思います。例えばタンゴの出力トランスFW-50は縦、横ともに117ミリです。これと一緒に使う電源トランスMS-330Dもほぼ同じ大きさです。
言えば117角の正方形を規則正しく並べれば、デザインはカッコよく決まります。但しあまりに大きなシャーシ500×400にこの3つのトランスを乗せて並べるときは、スペースがたくさんできてしまいます。
私はトランスとトランスが作る隙間は3ミリから7ミリくらいが自然でよいと考えています。そしてこの3個のトランス間を5ミリとして並べると、117×3+3×2=357ミリ
長手方向500のシャーシに乗せると143ミリのスペースが余ってしまいます。もっと短いシャーシが欲しくなります。
先ほどトランス間のスペースの話をしましたが、シャーシ外形からトランスまでのスペースも気にしています。6ミリから10ミリ程度にすれば、シャーシ上にスッと収まってバランスよく感じます。
先ほどのタンゴのトランス3個と、左右のシャーシ外形までを7ミリにすると、357+14=約370となりますから、シャーシの横寸法は370がベストと言うことになります。市販品で探すとタカチのSL-10です。
上の例は分かりやすいサンプルですが、そうそう同じ寸法のトランスたちだけでアンプはできません。
それそれ大きさの違うものを並べることもあります。下はタカチSL-10を使ったアンプです。トランス間やシャーシ外形までは上で説明した寸法に従いレイアウトしています。
たまたま並んでいますがシャーシの横寸法が350ミリしかなければ、電源トランスを90度回転させるなどの工夫が必要です。但し今度はシャーシの前後方向=奥行の寸法も少し配慮が必要になります。
下のアンプはトランスの間に1本分の電解コンデンサが収まっています(前後方向には2本ですが)。
このコンデンサの直径は35ミリ。トランス間は50ミリあれば、コンデンサは収まります。コンデンサの取付金具は斜めにするか、シャーシ内に持ってきます。この50ミリもインプットしておくと設計時に楽です。
今回の目標アンプです。やはりトランス間や外形までの寸法を上記の説明に従い、何とか300ミリの中に並べました。
これでよし、となったら写真にあるトランス類に直接定規をあてて外形寸法を測ります。タムラ、タンゴはカタログに寸法がありますから楽です。目標アンプではパートリッジのOPT、角型オイルコンの寸法が不明でした。
結果、ああでもないこうでもないと何度も電卓を打って計算して作成したのが下の手書きの図面です。
位置寸法の決定は最後はミリ単位になります。できれば寸法は全部5の倍数にすればよいのですが、そうもいきません。
前段のMT管2本は、斜めにレイアウトしました。
横一列と斜めでは、印象が違ってきます。MT管2本が横に並んで立っているのは、何となく連れて来られて、ボーッとつっ立ってっている感じがするのです。一方斜めにすると躍動感と言うか、変化を感じます。私だけかもしれませんが。
ついでに言えば、左のMT管は後ろに下がっていますので、前の部分にスペースができていて、ここにボリュームを取り付けるのでいい塩梅になります。
さらに重要なことは、シャーシ側面に取り付けるスイッチやヒューズ、ボリュームなどがシャーシ内のトランスなどと干渉しない(ぶつからない)ように配置を決めておくことです。
こんどはシャーシの前後方向のレイアウトですが、上の段階でもうトランス類の配置が決まっていますから、あとはトランスとシャーシ前面外形までのスペースに真空管を配置していけばよいのです。
この時の条件として、大型管のガラス管壁とトランスまではできれば25ミリは離したい。ガラス管同士は先般もお話ししたように15ミリは欲しい。結局のところ球の最大外形(直径)も測定しておく必要があります。
DA30って直径50ミリ程度しかないのですね。隣の整流管と同じくらいです。ここでは球と球のセンター間は65ミリとしました。
この位置の決め方も,現物を置いて少しずつ動かしながら調整するしかないようです。
以上がレイアウト・デザインの決め方になります。
分かりにくいとか、もっと説明が必要でしたら、コメントをお願いします。