今回の目標アンプはなるべく小型にしようとシャーシ一杯一杯にしています。
ビギナーの方はなるべく余裕のあるシャーシを選ぶ傾向があります。
理由はシャーシ内に配線するときに、狭いと厄介である。半田ごてがその周辺に当たってしまい、部品やコードを焼いてしまう。
これが主たる理由でしょうか。
でもシャーシが大きすぎると、シャーシ上のトランスや球などの距離があいてしまい、ポツン、ポツンとなって寂莫感が漂ってしまいます。10ミリのスペースでも周囲を焼かないように、半田付けの練習をしましょう。
小型にするために、何でもくっつけてよいということはありません。電源トランスは磁気漏洩するものもあり、これが出力トランスに悪い影響を与えることがあります。
長手の積層断面Aからの磁気漏洩が一番大きく、B方向はAの8%。C方向はもっと小さくなります。ヘタな絵でごめんなさい。
なので出力トランスのA断面と、電源トランスのA断面を平行にしてくっつけてはいけません。出力トランスを90度回転させて出力トランスのBを電源のAのそばにもってくるとか、あるいは垂直に立てて軸をずらすのも手です。
もっとも電源トランス自体の積層断面を鉄で覆って磁気シールドをすれば磁束を抑えることもできますし、薄い銅板をグルリと巻いて(ショートリングといいますが)、磁気を抑える方法もあります。それプラスでトランス自体を鉄のケースに入れてしまうともっと影響が抑えられます。
小型化には
1.トランスの磁気影響に対策を打っておく。
電解コンデンサは熱に弱く、容量が減るのか、耐電圧が下がるのかはよく知りませんが、球のすぐそばに持ってこないことです。ダイナコⅢはコンデンサが球に焙られてしまう難点がありました。
2.電解コンデンサは球から離す。
ときどき大きなトランス同士の谷間にMT管が配置されているアンプを見ます。どうやって抜くのだろうと心配になるときがあります。
3.MT管は容易に抜けるように配置する。
大型管同士が隙間なく、くっついているアンプがあります。熱せられないと電子が放射されないので熱いに越したことはないのですが、やはり放熱のために、15ミリから20ミリは離しましょう。
4.大型管同士はガラス同士の間隔を15ミリから20ミリは離す。
小型アンプを見てると、球がシャーシの端部に近いものがあります。アンプが何かに衝突したときに球が割れるリスクがあります。
5.球はシャーシの端面から少し内側に入れる。
整流管は結構スペースを取ります。どうしても収まりきれないときはダイオードの使用も考える必要があります。
6.整流管、ダイオードを適宜使いわける。
まだあるかもしれませんが、以上の考慮が必要だと思われます。
今回はアンプ小型化への配慮でした。