少し前からサイテーションのプリアンプのことが気になって、回路も調べていたのです。

 

実は私には会ったことのないプリアンプの先生がいます。

 

武藤明さんとおっしゃる方で、1960年代後半から1970年代前半にかけて、「電波技術」と言う雑誌にプリアンプ製作の記事を精力的に公開されていました。年齢的にお元気なら現在は80代の後半くらいだと思います。いくら調べても見つかりません。

 

この方はトランジスタや真空管にとらわれず、技術的な解説記事や製作記事を発表されています。

 

マランツ#7、マッキントッシュC-22、QUAD22など、原器のままでは製作がややこしくなるので、無用な回路を省いて作りやすい回路をモデファイされています。例えばテープデッキのヘッド用のイコライザなど。

 

その回路を見ると、スムーズに作れそうな気がするのです。

 

今回私が興味を持っているのがサイテーションⅣのモデファイ版です。

 

昭和48年「電波技術」誌の特集本からの出展です。もちろん電波技術氏はすでに廃刊になっています。

 

 

 

 

記事は前半の「回路解説編」と後半の「製作編」の2つに分かれて掲載されています。上記の記事は製作編からの抜粋です。

 

武藤さんは石のアンプも作られましたので、管球プリにもプリント基板を採用して作りやすく変更しています。アースやシールド線も標準的な配線方法でアマチュアにはとても分かりやすいのです。

 

この記事の解説を読んでいると、製作意欲がそそられます。もちろん私はプリント基板を管球アンプに使用するのは嫌いなので、全てリード配線でやるつもりです。

 

上記回路図のイコライザ段。1段目と2段目にK-Kの正帰還がかけてあります。この辺りはマッキントッシュに似ています。でもCR型です。イコライザ素子の後ろに単段のG-P負帰還回路が来ています。面白そうですね。どんな音がするのでしょう。

 

回路図下段の左あたりにMODEの次にBLENDという回路があります。これはそばにあるBALANCEとも違う機能を果たすようで、左右の再生音を混ぜる割合を調整するそうです。実際の音を聴きながら確認したいと思っています。

 

CR型トーンコントロールの入力部分にSCRATCHという回路があります。レコードのホコリによるノイズのキャンセラーだと思いますが、CR型イコライザは基本的にスクラッチノイズが小さくなりますので、この回路は要らないのではと思うのです。おそらくパネルのデザイン的にこのスイッチが必要だったのでしょう。私もレバースイッチを4個並べるときに1個機能が足らずにスイッチが余りそうだったら、MUTEという機能を無理やり作ることがあります。何のことはない信号をアースに落とすだけです。

 

まあこういった具合にサイテーションⅣは興味がそそられるプリアンプではあります。

 

 どうですかこの回路図。原器の回路図より結構スリム化されています。作れそうですよね。

 

すでにVRやスイッチ類の在庫を調べています。ああ、少し休もうと思っていたのに。

 

そうそう、マランツ7のイコライザ回路部分だけを自作される方は結構います。TAE2も自作して欲しいですね。

 

私は実は以前作ったマッキンC-8ステレオ版の、イコライザ部分だけを作ってみたいとも思っているのです。1024通りのイコライザカーブが選べるイコライザアンプ。AUX入力にさせばそのまま使えるアンプ。

 

とまあこんな風に次から次へとアイデアは出てくるのですが。やっぱり少し休もうと思います。