以前にも書いたけど。
パーツを変えたら、音が変わってもう戻せない。
こういう体験記をよく目にする。
確かに音は変わる。パーツを変えるということは構成している材料も変わるということだし。まったく同じメーカーの同じ型番のパーツに取り換えても、製造年代が違えば音が変わることもあるかもしれない。
ただ、交換により音が良くなったかどうかは別問題だと思う。
ある基準軸、例えば情報量という基準で測れば、交換後に音の数が増えて、情報量が増したということもあるかもしれない。
その基準軸では音はよくなっていることも確かにある。
ところが他方、音の潤いとか、滑らかさの基準軸でみると、情報量の増加と相反して、潤いが減退しているかもしれない。
昔、銀に凝って銀タンタルコンなどを使ったことがある。キラキラと情報量も増えて悦に入ってしばらく使っていたけど、落ち着かなくて元に戻した経験もある。
音の評価、特にパーツを交換したときは、すぐに評価するのではなく、3か月は様子をみて、複数の基準軸で評価した方がよい。
実のところ、いい音になったと思って、使用しているうちにその音に慣れてしまい、当初の感動が薄れてしまうこともある。そういう状態になって改めて評価することに意味があると思う。価格差の割にそうでもないかな、ということになるかもしれない。
交換のたびに喜んでいたら、次はこんなのがありますよと、紹介してくるパーツ屋さんのカモになってしまう。
紹介してくれる人が、この道の先輩であったりもするけど、人と自分の好みは違うし、自分の評価基準をしっかり持っておくことが大事だと思う。
お金をかけずに、音を良くする方法がある。
SPへの配線コードの被覆を剥いて、新たに導体部を露出させて、再度接続すること。接続プラグの接点部、球のピンを洗浄すること。高いパーツの交換より音が良くなること間違いなし。