すごいなあ。

自分の部屋でこんな演奏が見れるなんて。

 

世の中本当に便利ですね。1957年の米国のジャズの画像。インターネットならではです。1970年代にはありませんでした。

 

120分の画像ですが、見どころ,聴きどころ満載です。

 

特に唸ったのは、ドラムのパパ・ジョー・ジョーンズのソロです。

 

ジョー・ジョーンズというドラマーはもう一人有名なフィリー・ジョー・ジョーンズがいますね。マイルスとずっとやっていた、モダンジャズ界の真ん中にいた人。実はパパ・ジョーはシカゴの出身で、フィリーより12歳上なのです。

二人を呼び分けるために、年上の方にはパパを、年下には出身地のフィラデルフィアをもじってフィリーと呼んでいます。

 

パパ・ジョー・ジョーンズはある日のジャムセッションで、まだ15歳で下手だったチャーリー・パーカーがステージに上がって演奏しているときにシンバルを外して床に投げたそうです。「お前は降りろ」。1936年のことでした。

 

バード(チャーリー・パーカー)は泣きべそをかいて、その場から出て行ってしまったそうです。それからバードの猛特訓が始まりました。カンザス南東部のオザーク湖地方に籠って、ひたすら練習に練習を重ねて、いわゆるビバップフレーズを編み出して、そこから天才の快進撃が始まりました。

 

さてこの動画、パパ・ジョーのソロが6分間にわたって堪能できます。ノースティックつまり素手でドラムを鳴らす、スネアを右手親指1本でその縁をたたきながら、皮を抑える左手の位置を変えて、まるでコンガのように操るのです。驚きますね、そのすごさ。パパ・ジョーは知的で紳士的な印象のジャズメンです。

 

 

次に感銘を受けたのは、エラ・フィッツジェラルド。

彼女の歌は素敵です。この時40歳。ボイスコントロールやフレージング、イモーション。まだまだ若く、貫禄もあります。彼女のようなジャズボーカルの中心的な存在があったからこそ、いろんなタイプの女性ヴォーカルが安心して自分のスタイルを追求できたのではないかなと思うのです。

 エラはルイ(サッチモ)との共演アルバムで、曲のエンディングでサッチモのだみ声を声色(こわいろ)でスキャットして終わるという、コミカルなこともやっています。

 

ジャズ・オーディオファンには美しい女性ヴォーカルを好む方も多いと思いますが、エラやアレサ・フランクリンもいいと思うのです。

 

さあ、ここまで解説しました。他にもキラ星のようなジャズジャイアンツがたくさん登場します。

どうぞ動画をお楽しみください。

 

 

Oscar Peterson Trio & Ella Fitzgerald - Jazz At The Philharmonic - 1957 • World of Jazz (youtube.com)