羽田で着陸直後のJALの航空機が滑走路上で海保の固定翼機と衝突した。
直後から火を噴きながら進んでいたが、停止後372人(乗客、乗務員)全員が脱出して無事だったとのこと。
私は仕事で、環境マネジメントシステムの審査をするときに、緊急事態の訓練実施の記録を確認することがある。
緊急事態とは火災であったり、薬品の漏洩であったりする。
規格の要求事項は、可能なら実際のケースに合わせて訓練をするようにとある。
企業によっては、ただ緊急事態対応訓練の手順書を読み合わせて、終わりとしているところもある。そのときには、必ず本番さながらに実施するように話すことにしている。
薬品漏洩の訓練で実際に薬品をこぼすのは不可能なので、代わりに水を流して代用することもある。その場合でも、マスク、手袋など保護具は必ず着用すべきだと伝えている。
普段の訓練は本番さながらに、毎回繰り返していると、いざ本番のときは必ず訓練通りにできるからだ。
いやいや、そんなに事故なんて起きないから、手順の確認でいいじゃないかと言う企業さんもある。
でもよく考えて欲しい。JALは緊急事態に遭遇しています。めったにないことでも、普段からCA、パイロットが本番さながらに訓練しているはずです。
その結果として、今回の事故でも全員が無事に脱出できているわけです。普段の実施訓練はとても重要なのです。
それからもう一つ、海保の飛行機は、やはり今回の能登半島の地震で、新潟へ救助活動に行く予定だったとのこと。
ここでも言えるのは、普段やらないことを突然やる場合にはリスクが高いということです。さらには通常にたいして、人が変わる、機械が変わる、手順が変わる場合も事故発生のリスクが急に高くなります。
違う観点からみれば、3Hの状態つまり(はじめて、久しぶり、変更が入っている)場合には十分事前に確認注意が必要だということなのです。
現役でお仕事をされている方々は肝に銘じて欲しいと思います。