前回の続編と言ってもいいのですが、この最近、固定バイアス用に安価な可変抵抗器を入手しました。

 最近よく見かける、カンのケースに表示文字はなく、背面のベーク部分にシルク文字で抵抗値などを印刷しているタイプのもので24ミリ径です。これらはネットオークションで10個1500円でした。@150です。おそらく中国製だろうと思います。

 東京コスモスのものはRV-24 で@415です。半値以下。

 

問題は品質です。

 

 

可変抵抗の品質と言えば、

1.規格の抵抗値の精度。

今回の10個は10KΩですが、両端の抵抗値を測ると、一番おおきいもので11KΩ、小さいもので9.4KΩでした。多くは9.6KΩあたりの値です。

 

2.次に抵抗値の均一化。

カーブの表示通りに値が変化するかどうか。2番端子を真ん中に持ってきて、10個全て1番端子との間の抵抗値を測ったところ、殆ど同じ値を示しました。

 

3.ギャング比

可変抵抗は全抵抗が全て同じ値が理想ですが、電圧を可変させる場合は、抵抗値が違っても摺動時の分圧比が同じなら、左右違った値のものでもステレオ使用が可能です。

 例えば10KΩと12KΩのものをそれぞれ4等分して、同じポジションで全抵抗に対する比率が同じならステレオ使用は可と言うことです。

 最悪なのは2連ボリュームで、それぞれの比率(ギャング比率)が違えばうまくありません。現象としてボリュームをミニマムから少しずつ時計方向に回したときに、片方の音だけ先になり始めることになります。これは国産品でも経験したことがあります。

 ただし、トーンコントロール用に使用した場合は、左だけ先に低音が変化し始めた、なんてことが分かる人は殆どいないので、これはOKかもしれません。

 

4.許容消費電力

可変抵抗器には電流が流れますので、そこで電力が消費されます。通常のRV-24 あたりは東京コスモスのRV24なら、+40℃まで0.25Wは耐えるとカタログに謳っています。

前回のバイアス回路の設計方法では10KΩで5mA の使用方法を紹介しました。結局流れる電流を抑えるのが、耐電力には効果があるのですが、過去の経験から0.5W でも破壊されることはありませんでした。今回入手した安価なものは、耐電力なんか謳っていませんので未知数です。使うならなるべく少ない電流で、ということなのでしょう。

 

そして、これらの安価品を使ってみようと思います。どうなるのでしょう。3年後に焼けてしまうとか。案外持つかもしれませんね。