今から5年前に作ったものです。マランツ7に似ていますが、中身は全く別物です。
アルミの板から切り出し、曲げたり、穴を明けたりしてケースから作りました。
内部配線はまだまだ幼稚な印象です。
このプリアンプはイコライザがCR型、左右で2本の12AX7で構成させました。
ラインアンプはトーンコントロールと兼用でNF型(ラックス型)。これも12AU7を2本で構成。
よって全体では4本の球で出来上がっています。
浅野勇さん推奨のプリアンプは4球構成、彼の場合のイコライザはNF型を推奨されています。アクセサリー回路はいらないというのが基本です。
このプリを作った時に経験して以降の参考になったことがあります。
1.参考にした上杉氏の著書にあったCR型イコライザ回路。この記事通りに作ったら真空管に殆ど電流が流れなく問題ありでした。
いろいろ手を打ってみたのですが、後段のグリッドリーク抵抗1MΩで追加して、電流が流れるようになりました。回路図にはハナからグリッドリークは存在しません。こういった書籍の回路で何度かトラブルを経験するうちに、頭から信じない、回路を一見してこれでいいのかなと、疑問箇所をピックアップしておく習慣が付きました。
2.世の中の管球プリに必ずと言っていいほど付属している回路、再終段のカソードフォロアー回路。目的はパワーアンプへ接続するときのインピーダンスを下げるためです。これは個人の愛好家が家庭の中で使用する場合には、ほとんど不要な回路です。そこまでやる必要はないと思います。なぜならラインアンプ(トーンコントロール兼用)の再終段で結構インピーダンスは低く抑えられているからです。結果カソードフォロアー回路は一般家庭でせいぜいコードを3m以内でパワーアンプに接続するのなら不要と言えます。アメリカの家庭は広いので、この回路が必要だったのかも。
3.トーンコントロールの前段の球のプレートから出力を取出し、次段に送ると増幅度が大きくなってしまい、サチュレーションを起こします。でも上杉氏の回路は堂々とプレートから送り出しています。
いろいろなプリアンプの製作記事を探して、正しくは、この単段にG-Pへ高抵抗のNFを掛けるか、カソードから出力を出すことが一般的であることが分かりました。
このプリアンプを聴いて、CR型イコライザは結構力強い。SN比がNF型に劣るという通説を感じないと自分なりに判断したのです。
そしてこのプリを知人に送って、試聴の感想を聞かせてもらいました。お仲間が3名集まっていろいろ聴かれたそうです。加工精度や仕上がりが素晴らしいといった評価もいただきました。実用上何の問題もなく鳴る、という評価も。次に私が期待していたのがNF型とCR型イコライザの比較です。U-BROS 31?というアンプと比較していただきました。どうでしたか、違いはありますか、と尋ねたのですが、3名ともによくわからなかった、という回答でした。
CR型を常用している人にはその違いが分かるのですが、いつもNF型常用なら、分からないかも知れませんね。一般的にはそうなのでしょう。
このプリは東海地方の方にもらわれていきました。オーケストラの管楽器の吹き抜ける音がすごいとおっしゃってました。常用機はプリ、パワーアンプともテクニクスの半導体のものだそうです。
と言ったところです。現在頭痛と熱でコンペンセーターは手つかずです。作業しようと思えばできなくもないと思うのですが、完全にスランプに陥ってしまいました。
スランプの状態とは
①億劫である。
②他の仕事の方を優先させなければと考えてしまう
③配線の際に必要な考慮、配慮が今の状態ではできる気分でない
④ゴールした後の喜びや感動が想像できない
などです。
その解決策は、成功したときのイメージを掻き立てることでしょうか。ボチボチやります。