今回は4種類の6L6系の球の比較試聴を実施。

 

選ばれたのは本来の①米国Toronal社の6L6GA、②英国STC社の6L6G(別名CV1947)、③米国GE社の6L6GC、④国産富士通社の6L6GTです。

 

プレート損失などの規格は①②④が共通でPross:18Wです。③は30W程度と大きな規格。でもいずれも今回のような同一条件で動作させれば出力も同じになります。

 

それでは①から。柔らかくてきれいな音です。これを基準にします。

 

 

②の英国製。やや外形は①より大きくなります。家族はこの球を見て海苔巻きと呼んでいました。

全域にわたってエネルギーが増加した感じで、華やかな印象です。もちろん情報量も多く、さすがに名球として高価で売買されているだけあります。上側の電極支持マイカは丸くてアンパンマンのようです。

 

 

次は③の6L6GC。②と同じ傾向ですが、近代管の趣が加わります。スッキリして迫力大。頼もしいですね。

 ずっと聴いていると、後ろにあるメーター付きのアンプと同じ音がします。こちらのアンプも同じ6L6GCで固定バイアスプッシュプル。出力トランスは米国マグネクエスト社の大型のものですが、なんら遜色のない音です。

今回使用したトランス巻き仙人さんのOPTの性能の高さが確認できます。たいしたものですね。

 

 

そして最後は④富士通のGT管6L6GTです。私は初めてこの球の音をききました。なかなかいいとは聞いていましたが。

おそらく50年ぶりくらいでいきなりソケットに挿されて、電圧をかけられたのでしょうが、なんの問題もなく音が出ました。

 その音を聴いて少し驚きました。出すべき音はしっかり出ていますし、とてもクリアです。③と同じような傾向です。当時の日本の企業の底力、品質の高さを感じます。しばらく聴いているとスピーカーとの相性がいいのか、アンプとスピーカーのコンビネーションがうまくいっている感じです。このスピーカーはパイオニアの無名のフェライトマグネット仕様のもので同じ国産品なのです。通じ合うものがあるのでしょうか。

 この球は小型なので、ケースに入れてプリメインに使用してもいいと思います。この球もたいしたものですね。

 

以上、ざっと試聴した結果になります。

 

先に音を聴いてしまいましたが、測定もしてみます。

 

ではまた。