マランツ#7のイミテーションを作っている身としては、オリジナルの音など聴いたことがないのが、申し訳ないのです。
オリジナルも話を聞けば、出来上がってすぐと、年月を経てからのものでは、違ってくるらしい。
なんでもこのプリアンプは1958年から量産が開始されているようです。
私とチキンラーメンと同い年ですね。使い始めてどれくらいでしょう、10年くらい経ったころでしょうか、正確にはわかりませんが音が熟成されて得も言われぬ音に変化したのだそうですね。 マニアはこの音をマランツ7の本来の音と定義されているようです。
ここで不謹慎な提案ですが、もしオリジナルに現在のASCのコンデンサを使っていれば、マニアはどう評価したでしょうか。
ASCモデルが発売開始から10年後、得も言われぬ音を発し始めたら、やはりマニアはこの音でなければと主張したのでしょうか。あるいはこのアンプのスタート時点でASCに変えて数寄者がスプラグ、ブラックビューティーやバンブルビーのコンデンサに装換していたとして、10年後こちらの方がASCよりいい音がするぜ、と主張したときに、オーディオファイルはどちらの音を選んだのでしょうか。
私はいつもこういうことを考えています。私的な結論ですが、10年後ASC熟成とバンブルビー熟成の音を比較し、ファンがどちらを選ぶどちらかと言えば、ASCを選ぶと思うのです。
理由はそれがオリジナルだからです。ASC が本物でありバンブルビーは代替えコピーだからです。
分かりやすい例え話をします。
その昔、浅田美代子という歌手がいました。赤い風船という曲を歌いました。お世辞にも歌はうまいとは言えない歌手でした。
彼女は音程があやうい、声量もないという状態でしたが、そのパフォーマンスが人気を博しました。端的にいえば下手だけど、ヘタさと彼女の可愛いさが相まって人気を博したのです。
一方で歌手たるもの、盤石な声量と歌唱法を備えなければならない、赤い風船も美空ひばりが歌えば、完璧な歌になると主張する向きもあるかもしれませんが、ひばりさんバージョンの「赤い風船」は勘弁してほしいと誰もが思います。
ヘタだけど浅田美代子がオリジナルだから、そうでなければというところです。
言いたいことは、どんなレベルのものでも、どんなパフォーマンスのものでもオリジナルは強いということです。
つまらない結論で申し訳ありません。今夜も出張先で飲んじゃってるので。