もう3年越しになります。

マランツ#7のコピーを作ってみてはどうかと、ケースや主要基板が実装された個体を提供いただきました。

他の方が手掛けた製作途中の物です。この方はKさんと言って、マランツ#7のコピーを20数台製作されたかたです。

 

当時はすぐに取り掛かり、フロントパネル、基板はそのまま使用、ケースは、アルミを切り出し自作、レタリングも入れました。

 

ただしここで問題が発生。前面パネルの中央にならぶレバースイッチ4個。これが入手できなくて、国産のスライド式のものを流用することにしました。これにより、とても厄介なことになりました。

 

 

 イコライザの3種切り替え回路。これを根本的に解析しないと接続が分からないのです。

 

オリジナルの回路図をみると、切り替えスイッチのシンボルマークが一層のこと、理解しがたいのです。昔の数ⅡBの微分の問題を解くような感じ。頭を捻って、集中しないと解けません。

 

悩んでいたところ、大先輩Kさんから、下の回路の左上にある等価回路を教えていただきました。

これで解決です、一気に視界が開けました。

 

 

その後は、入力セレクタ、低域フィルタ、高域フィルター、TAPE MONI、MODEなどの実態配線図を描きました。

 

そして入力セレクタの配線を完了させてケースに取り付けました。

 

 

 

電源部分もある程度まで進めていたのですが、ここで安心したのか、ストップさせてしまいました。

スタートから、足掛け3年近くたちましたが、上の状態で止まっているのです。

完成させなければという気はあるのですが、その間、違うアンプを何台も作り、横道に逸れてしまっていたのです。正直に言うと、負担が大きく精神的に逃げていました。

 

これではダメだと思い、昨日から再度着手しました。

手元に、マランツ7Kの組み立てマニュアルも提供いただいてコピーがあるのですが、自己流パーツの使用により、マニュアルがそのまま使用できなくなりました。

 プラモデルのように、「こことあそこを接続」。これを繰り返しているうちに完成とはいかなくなりました。自分で考える必要があります。

一念発起で厄介だった、レバースイッチの実態配線図を描いてみました。

 

 

残された厄介なところは、トーンコントロールのロータリースイッチ周りの配線ですが、これはそのまま変更なしで行けます。ゴールの様子が見えてきました。

ゴールが見えたのではなく、ゴール周辺はこんな様子なのかなとイメージできたということです。

 

ここでゆっくり、回路図を眺めました。

・この回路は手が込んでる。

・トーンコントロールは高低ともに中点の位置では、まったくスルーされてしまう。

・トーンコントロールの高低は、CRがそれぞれシリーズとパラの接続からなり、11ポジション切り替えである。通常の連続可変と違う構成で、おそらく聴いていて変化が分かりにくいのではないか。

・レバースイッチ4個は、それぞれが端子切り替え構造が違っている。

・イコライザ初段のグリッド抵抗が左右で実装されている位置がちがう。方やセレクタSWで、片や基板上で。

・ヒーター点火方法が18.9Vと変則的である、1本と半分がシリーズ、パラレルとなっている。試作時にトランスの電圧が半端だったので、半端で対応して、量産時も面倒臭くてそのままでいった?上のグリッド抵抗の位置も。

・入力セレクタは5枚のウェハからなるが、実際にセレクタ機能を担当しているのは2枚で、残りはテープデッキのヘッド用イコライザやレコード用イコライザ(SP,RIAA,COL)の切り替えに使われている。

・昔の開発品なので、今では不要な回路が多い。上記テープのイコライザ、TVの入力。微妙なところでは、イコライザ切り替え、テープデッキ使用機能。

 

もし、次にこのプリを作るときは、余分なものは一切切り捨て、トーンコントロールも連続可変にすると思います。シンプルな方がやはり、いいと思います。

 

おそらくメンテナンス業者は全てが頭に入っていて、パッとみて、この線材はどことどこを結んでいるのかなど、すぐにわかるのでしょう。

しかしながらものすごく大事に、自慢げに使われているユーザーの方でも、全く回路のことはわからない方も多いのでしょうね。

 

さて、やりますよ。もう逃げません。完成を目指して頑張ります。