何枚かのアルバムを聴いてみた。

 

途中経過であるが、自分なりの意見をまとめてみた。

 

初期のアートブレイキーとジャズメッセンジャーズのメンバーとしての演奏は、

テクニックに裏打ちされたもので、新しさと勢いを感じる。このころは実質的リーダーで

ブレイキーにも「ミスターブレイキー」と敬意を表しながら、 「ドラムが少し走っていますよ」などと

老化したバンドリーダーに注意をしていたらしい。

ただ、ウィントンの演奏は尖ってるかな、といった印象である。

 

・80年代中頃のライブ盤 「ライブ・アット・ブルースアレイ」

 

 

ここでの演奏は、当時のマイルスバンド、ハンコック、ロンカーター、トニーウィリアムスからなる、の後期の演奏と同じようなものだ。

ただ、テクニックはすごい。いささかひけらかしの印象もある、チェロ―なんかは自分のアドリブの時間をテクニックの羅列だけで埋めているような、手抜きの印象を私は受ける。間違いかもしれないが。

ただ、彼はこのスタイルの演奏をそれ以降も続けるつもりはなかったようだ。以降の動きで分かるのだが。

 

 

ここまでの結論を言うと、根っからのジャズマンではないことがわかる。マイルスと比較すると

 

マイルスとは

 「ジャズが服を着て、トランペットを通して語っている」 

マイルスが亡くなったときに、日野テルマサ氏は「マイルスのトランペットから出る音は全てがすごい」と発言しました。そのとおりです。

ジャズが自分の身を切りながら、楽器を通してそれを放出しているからでしょう。

 

ウィントン・マルサリスとは

「クラシックのトランペット奏者がジャズを演奏している」

クラシック奏法を子供のころから身に着け、完成度を高めたあとに、途中からジャズを知ったという経歴。

彼のアドリブから、アフタービートをあまり感じることはない。フレーズもジャズの話法で語っていない。

 YOUTUBEでアメージンググレースをソロで吹いているものがある。途中で、少しの間のあとに吹き始めるところで、おいおいそこは、柔らかく入って欲しかったのに、タンギングの強い音で入ってしまうなんて、と個人的に感じる部分もある。

 それが彼の個性であり、それもジャズなんだと言えることもない。

 

もう少し続けて、後期の彼のフレーズ、演奏のコンセプトを聴いてみようと思う。