なぜか、2度目の出品です。

年末に一度出品しました。結構な金額で落札されましたが、受け取っていただけず、1月に入って現在再度出品中です。

 

製作の動機は、マッキントッシュやマランツのプリの仲間の端っこにでも、いさせてもらいたいものを作ろうと考え立ってのことです。

 

ツマミは大きいもの、レバースイッチのノブは手元にストックしてあった、茶色の光沢のマランツ7に使われているものを使おうと考えていました。

下はパネルデザインを考えているときのもの。

 

 

気に入った意匠にするのは、ケースも自作することが手っ取り早いと考えました。

ケースの仕上がり具合は下の写真でわかります。実はケースから作ることは、そんなに困難なことでもありません。

基本は正確にアルミを切り出し、正しい位置で曲げること。さらに正しい位置に穴をあけること。これを積み重ねれば大丈夫です。

 

 

古いメーカー製アンプのレバースイッチを利用します。もうこんなスイッチは手に入りませんし、売っていません。昔アルプスは各アンプメーカーにオーダーメイドでこの手のスイッチをたくさん収めて、結構利益を上げていたと思います。オーディオが趣味の王様だったころの夢のような時代です。

 

 

 

スイッチのレバー周りの細い長穴も、慎重に加工します。これはもちろんいきなりではなくて、端材を使って練習をしました。

2ミリの穴をいくつも並べて加工し、ニッパーで切って、薄い平ヤスリを差し込んで直線を出しました。上下の半円部分も丸ヤスリで形を作ります。よくみると少しいびつです。まあご愛敬です。

 

 

塗装して文字をインスタントレタリングで貼り付けます。昔はサンハヤトがたくさんの種類のレタリングシートを販売していましたが、自作者も減り、儲からないのでやめてしまいました。

 ギャレットオーディオというギターアンプ関連のパーツ通販店でレタリングシートを扱っています。もっといろんなバリエーションのものが欲しければ、ヤフオクでも入手可能です。

結局球アンプなら、6という数字をよく使うので、数字がたくさん並んでいるものがあれば助かります。最悪9をひっくり返せばOKです。

 

プリアンプはいきなり配線していくのはまず不可能なので、実態配線図を書きます。都合3回くらい書き直しました。1回目書いて配線したらノイズが出たのです。なのでグリッドとプレートにつながる配線は遠ざけるように、カソードへの接続はインピーダンスが低いので、わりと長々と引き回してもOK。

 

 

 

配線を終えて、接続チェックをします。回路図と何度も照合します。左右が間違っていないか、アースが浮いていないか。

 

 

問題なければ、ツマミ類を取り付けます。

 

何とか、それらしくなりました。

 

電源をいれて、各部の電圧をあたります。まずまず設計通りの値が出てくれました。このとき出力端にACの最小レンジでテスターを接続し、残留ノイズを確認します。0.2~0.1mV程度で優秀です。

 

えいとばかりにCDをつなぐと、一発できれいな音が出ました。バランスやモードも正しく動作します。段階を追って配線のつど確認していますから成功の確率も高くなります。

 

その次にRIAA偏差、ノイズの測定と続きます。トーンコントロールのうねりは、高低ともにブースト、真ん中、デクリース(最小の位置)の3とおりで、周波数測定していきます。

 

標準的な特性となり、これで合格です。

 

とまあ、こういう流れでこのプリアンプは完成にこぎつけました。この最近(4年以内で)プリアンプを続けて4台作りました。やはりノウハウがわかってきました。

 

パワーアンプばかり作ってなくて、皆さんもプリアンプに挑戦してみてください。プリはパワーアンプの3倍時間と労力がかかります。でも完成すると達成感もそのくらいです。

 

もちろん現在のオークションに入札されても結構ですよ。 2022年1月17日 終了予定です。