電流制限回路【電気二重層コンデンサによるバックアップ電源回路用】 | zweisteinjpのブログ

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組込み関係の自作や趣味の音楽関係についてが主体に気ままに書いていきたいと考えています。
好きなミュージシャンはアランホールズワースで、音色やフレージング含めて気に入ってます。

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電気二重層コンデンサ(キャパシタ)、ウルトラキャパシタともスーパーキャパシタとも呼ばれていますが、比較的容易に入手出来るようになってきています。

従来の電解コンデンサくらいの大きさでも容量が桁違いに大きく、ちょっとした電池のように使用出来るコンデンサです。

 

 

秋月電子でもかなりの種類から選択可能です。

https://akizukidenshi.com/catalog/c/ccap2/

 

電気二重層キャパシタ1個当たりの電圧は2.5V~3Vくらいです。目的に応じて直列や並列に接続して電圧や容量を調整して使用することになります。自分の場合、12V程度の電圧か5Vくらいでの使用を前提とした運用になりますので、直列接続を前提に検討していきます。

 

キャパシタはそのまま直列接続するだけでは充放電を繰り返す中でバランスが崩れていきます。電気二重層キャパシタは許容電圧を超えて使用すると壊れてしまいます。直列接続する場合に印加する電圧がキャパシタ毎に許容電圧を保証するためにバランサ回路が必要になります。

製品などに適用する場合は複雑なアクティブバランサが使用されるようですが、自作系の場合は簡単のためキャパシタ毎に抵抗を接続して分圧する形で電圧を安定させます。

 

次に気を付けることとしては、キャパシタに電荷が溜まっていない時の最初のチャージで流れる突入電流です。これは安定化電源とかで試すとすぐに経験出来ますが、安定化電源のオーバーカレントリミットに簡単に当たってしまいます。キャパシタ電圧が上昇するにつれて充電電流は小さくなっていきますが、最初は殆ど短絡電流のような大きな電流が流れます。一番簡単な対策は電流制限抵抗を使用することですが、これはこれで問題が発生するようで、例えばそれなりに大きな負荷がかかるシステムの場合、電流制限抵抗と負荷抵抗の分圧で印加電圧が低下してしまうことになります。

そんな訳で、今回の検討アイテムは突入電流制限回路となります。電流は適正なレベルに制限してチャージするものの、負荷に対しては基本は抵抗にならないような機能を考えています。定電流回路や電流制限回路でググってみると色んな回路が見受けられますので参考にしていますが、今回の回路では、通常の負荷利用時には定電流である必要はなく、電気二重層キャパシタへの初期チャージの時だけ電流制限されるような機能です。

 

ネットで探して一番目的に近いと考えられるPNPトランジスタとP型MOSFETによる電流制限回路をトライしました。手元にある部品だけなんで、トランジスタは2SA1015でFETは2SJ334です。

制限電流は電気二重層コンデンサの適用都合で2A未満に抑えるようにします。

参考回路と制限電流からこれまた手元にあるメタルクラッド抵抗を見繕いました。式ではトランジスタのベースエミッタ間の電圧で制限電流が決定されることから、0.7/R(A)となっているので、それを信じて回路定数を決めて動かしてみました。実際に動かしてみると設計値よりも電流が流れません。1.8A程度の電流制限するのに使用した抵抗値は0.2Ωのものでした。理屈で行くと3.5Aですから2倍くらいずれてます。

FET駆動に影響する抵抗の値でかなり制限電流が変化して抵抗値が低い方が制限電流は大きい側になります。

 

 

 
逆流防止ダイオードは手元にあった少し大きい目のダイオードを接続していましたが、キャパシタの容量を大きくする必要が出てきたことから、色々と問題があることが分かってきました。使用していたキャパシタは10Fのものでしたが、使用目的上50F以上必要なことが分かり、余裕を見ているうちにとりあえずの値が大きく300F品を使うことになってしまいました。充電電流を計算すると1Aだと何分も待たないと負荷駆動出来る電圧まで上昇しません。使用していたダイオードのスペックを確認すると順方向電流が1A、正確には整流に使用した時の平均電流なので、DCで使用する場合にはもう少し余裕がありました。これまで調整していた充電電流は2A未満で1.5Aぐらいが最大で、キャパシタ電圧が上昇するにつれて電流も小さくなってくるので基本は定格範囲内、実力でカバーしている時間も短かかったことが分かりました。
300Fのキャパシタに短時間でチャージする場合には、電流制限の値をかなり大きくしていく必要がありますので、ダイオードも順方向電流が大きいものにしなければなりません。電子パーツを買いに出かけて、とりあえず勉強を兼ねて値段が手ごろな順方向電流がそこそこ大きいものを物色しました。
 
・一般整流用ダイオード
・ショットキーバリアダイオード
・ファストリカバリーダイオード
とりあえずこの3種類であれば、5Aくらい流しても大丈夫そうなスペックのものが手ごろな価格で入手出来ました。
勉強してから買うべきですが、色々試してみたいこともあり、買ってから調べている状態です。
調べ始めて分かってきたことは、ショットキーバリアダイオードは順方向電圧は低いのですが、漏れ電流が大きいのと、熱暴走に気を付けなければなりません。ファストリカバリーダイオードはショットキーバリアダイオードに似てますが、順方向電圧が高めです。
一般整流ダイオードは応答速度が遅いですが、順方向電圧とかは普通ですが、電源回路に使えそうなのは今日のお店ではあまり見当たらなかったので、実質的にショットキーバリアダイオードとファストリカバリーダイオードばかり買ってました。
 
バックアップ電源回路の使い方を考えると電源をONにするとキャパシタチャージから始まり、キャパシタ電圧が上昇すると負荷側も動作電圧に到達して負荷が電流を消費し始めます。キャパシタが充電完了してからはキャパシタは暫く何も関係ない状態になります。逆流防止ダイオードは基本的に元電源とキャパシタ間の電位差が逆転する場合に働くことになりますが、今回の目的を考えれば漏れ電流が問題になることはないので、順方向電圧の低いショットキーバリアダイオードで良いのかといった感じです。
電源をOFFにするとキャパシタから負荷に電力供給されることになりますが、その時にはダイオードは関係ありません。