8月10日(日) 10:20

 

和倉ユース決勝視察してきました。

会いませんでしたが堀田コーチも視察していたようです。向上心に溢れていますね。

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試合分析していきます。

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1. 前半:ヴィッセル神戸U-18の数的優位が生んだ主導権

神戸は攻撃時に4-3-3、鹿島は守備時に4-4-2で臨みました。
前半の神戸は、相手2トップに対して常に数的優位(2CB+アンカー)を形成し、フリーの状態でボールを運び前進しました。この安定したビルドアップによって試合の主導権を握ります。

 

鹿島はFWのプレスでボール保持者の自由を奪い、次で奪う狙いがあったと思われますが、神戸が巧みに数的優位を作るため規制がかけられません。さらに神戸の全体の立ち位置が優れており、鹿島は守備で狙いを定めることができず、前進を許していました。

最終ラインでボールをフリーにできたとしても、受ける準備、ボール保持者の判断力(相手の矢印を外す)とパスの質、そして受け手の1stタッチの正確さがあってこそ、ここまできれいに前進できるものです。これはユース年代トップレベルのクオリティを感じさせました。


2. 後半:鹿島アントラーズU-18のマンツーマンディフェンスとカウンター

後半、鹿島はより思い切ったプレスを採用。
最終ラインで数的優位を作ろうとする神戸に対し、マンツーマンで対応してその優位を打ち消します。神戸は正確な技術とマークを外す駆け引き、レイオフを駆使して何度か前進に成功しますが、引っ掛けられる場面も出てきます。

カウンターを警戒した神戸はロングボールを蹴らされる機会が増加。鹿島はこれを回収し、素早いカウンターから得点を奪いました。


3. 改めて感じたこと

サッカーは「時間のスポーツ」です。
どちらがより精度高く、速くプレーできるかで時間にズレを作り、勝敗を分けます。
 

攻撃では以下が重要です。

  • 正確な技術

  • 相手を操るアイディア

  • 相手の矢印を外す観察力(ギリギリまで相手を見続ける力)

守備では以下が重要です。
  • ボールの移動中にできる限り寄せる走力

  • 1stDFでボール保持者の自由を奪い、次を予測しやすくする

  • ボール状況を観て2ndDFが良い立ち位置から奪いに行く


4. 最後に

この試合は育成における多くのヒントを含んでいました。
明日はU-10ジュニアのトレーニングを行い、火曜日からの山梨遠征に臨みます。本日の分析を基に逆算し、7年後にはこのレベルを超える選手を育成できるよう、日々の指導を積み重ねていきます。

 

 

 

白山貴俊

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