

小説を読んだときは まだ私が若すぎて
理解が浅かっただけかもしれませんが
映画のほうが
母親の異常さや にんじんの優しさが
よく伝わってきたように思います
主人公のにんじんを演じた ロベール・リナンのことを
私は一生忘れないでしょう
この映画では まだ少年にすらなりきらない子供ですが
なんたるハンサム

表情のひとつひとつも 本当に演技や映画だと思えないほどで
感受性の枯れかかった私ですら 心を揺さぶられました
家族に虐待され そのくせ家族を愛さずにおれず
その愛情を家族に利用されて
(私もにんじんと同じく末っ子だったから よくわかります
もっとも私の場合 あんなにイイ子じゃありませんでしたが^^;)
8歳かそこらで 本気で死にたがるにんじんの表情が
私の脳裏に 永遠プリントされてしまいました
にんじんと母親の関係の異常さに気づいた父親も
気づいただけエラいし 悪気は全くないのですが
にんじんを祝賀会に呼んでおきながら
大人ばかりの中に ぽつんと置き去りにしてしまいます
日本でなら小さな子供がひとりで ぽつねんと立っていたら
きっとそのへんにいる人が 話しかけたり
一時的に 面倒を見たりすると思われますが
そこは 個人主義の国フランスだからか
皆 心細げなにんじんをテキトーにあしらって
自分の用事や関心に戻ってしまいます
そーゆー変なトコで フランスを「異国だ~」と感じた作品でした
映画を観終わって にんじんを熱演したロベール・リナンの
プロフィールを目にした私は またもや衝撃

彼はナチスの占領下 レジスタンスの活動に身を投じ
たったの23歳で はかなく散っていったのです
戦時中だったからでもありますが
佳人薄命の典型ですね
ごくありふれた平凡な人間のひとりである私は
無駄に長生きでしょう
平凡だから 人生の摂理を学ぶのに時間が掛かります
長生きして 素晴らしい映画を1本でも多く観るつもり
