死にたいとは思わないけど、

生きたいとも思えなかった時期がありました。

毎朝、目が覚めた瞬間から、


「また目覚めてしまった・・・」と後悔。


寝ている間って、痛みを感じないんですよね。


「また長い1日が始まってしまった・・・」


絶望的な思いでベッドを出る。

その理由は、離婚。


夫が3ヶ月の海外出張から帰ってきたと思ったら、


いきなり離婚を持ちだされ、状況がまったく消化できていない中、


離婚に向けて事が動いている。


パニックと絶望的な気持ちを引きずったまま、これから自立するために、


住む場所、仕事、車の免許、など現実的なことを考えなければいけない。


何から始めたらいいのかすらわからない。


人間の本性って、相手に対してカッコつけるのをやめたときに見えるんですよね。


結婚した時は、家財が何もなかった状態から、2人で人並みの生活を築いたのに、


離婚となると、すべて持っていこうとする夫。それも、これからこの家に住み始める女性のため。


裁判に持ち込む気力もなく、3週間後、離婚届にサインをし、スーツケース1つと猫を抱え家を出て、


呆気なく4年間の結婚生活が終了。


その後、運よく不動産の事務職の仕事が決まり、


翌日アパートを決め、29歳にして初めての1人暮らし。


でも安月給で手取り14万。家賃5万円のアパートに、食費や光熱費を引いたら赤字


経済的にも精神的にも苦しい生活がスタートし、相変わらず、毎朝目覚めることに後悔する日々。


そんな中、毎週日曜日に、知人に教会に連れて行かれ、


牧師の説教を聞いていた時のこと。


「毎朝、いったいどれくらいの人が目覚めないと思いますか❓


何百人の人が、朝目覚めないのです。


朝、目覚めるということは、奇跡のようなものです」


と。


毎朝、目覚めることを後悔していた私は、


牧師の言葉を、上の空で聞いていました。


その2週間後、


職場に米軍の賃借人が、3ヶ月分の家賃を払いにきました。


「夏休みで帰国されるんですか❓」と尋ねると、


彼はこう言いました。


「今朝、13歳の娘が目覚めなかったんだよ


今意識不明の状態で、ここでは治療できないから、これからすぐに娘を米国の病院に移送するんだ。」


そう言って、急いで出て行きました。


本当に、目覚めない人がいるんだ・・・。


衝撃的すぎて、しばらく何も考えられませんでした。


でも、この瞬間から、


私の世界はガラリと音を立てて変わったことを、


今でもハッキリ覚えています。


相変わらず生活は苦しく、離婚の傷もまだ癒えてなかったけれど、


朝、


目覚めることに、感謝し始めました✨


夜、自分のベッドで眠りにつき、


朝、目覚める。



当たり前のようで、


何の保証もない日常の奇跡✨


毎日、どれくらいの人が自分のベッドに戻れず、


毎朝、どれくらいの人が目覚めないんだろう。


今だからわかる、痛みを感じるということは、生きている証拠。


世界中には、目覚めたかったけど、


目覚める事ができなかった人がいる。


人生のどん底にいて、目覚めたことを後悔しているアナタの朝は、


目覚めなかった誰かが、当たり前のように目覚めると思っていた朝


なんだよね。