ビョーク主演のカンヌ国際映画祭で最高賞を受賞したほどの作品なのだが、ものすごく賛否の分かれる作品らしい。僕はそんな前知識も無く「名前聴いたことあるな」くらいで観たのだけれど、ビビるほどストーリーが濃い。本当にすげえ暗い気持ちになる。

 

 

 

 

この映画によく言われる評価は「救いが一切無い」ということ。よくも悪くもそういわれている。でも僕はそう感じなかったんだよね。自分の正義を貫いた主人公セルマの生き様に感動ですよ。そこに希望はあったと思う。

 

独特の撮影方法で撮影されてるっぽく、なんかドキュメンタリーとかに近い感覚。映像のクオリティーもそんなに高くないし、もしかしたら最近の映画を見慣れている人は、内容どうこうよりもまず映像が無理ってパターンもあり得ると思う。僕も最初、映画に入れなさすぎて観るのやめようかと思った。

 

でも、観てしまうんだよね。とにかくビョークの演技力がもう半端なさすぎて、改めてこの人は天才だなって思わされた。なんなんだろうこの人のオーガニックな感じ。わかる?ビョーク知らない?MVとか観てみな。映画の最後のシーンなんかもう本当に鬼気迫るものがある。本当に苦しすぎて観るのやめようかって思うほどだもんね。苦しいの。映画観てて。息が苦しくなるの。涙はまったくでないんだけど。

 

こんな映画を撮ろうと思った監督やビョークは本当にロックだし、芸術に対してどこまでピュアなんだと脱帽ですよ。

 

この映画をクソだという人はたくさんいるわけね。それはそれでいいんだよ。でも、僕みたいな人間にとっては何百億円もかけてつくった超大作では感じられない、衝撃をこの映画から受け取った。好きか嫌いかなんてそんなものはたいした問題じゃない。

 

これをこの世に生み出した、スタッフ、監督、キャスト、主演のビョークに嫉妬ですよ。あーすごすぎた。嫌いな人はえぐいくらい拒否反応を示すに違いない。どれもわかっていてこの映画に魂を込めたんだろうね。やばすぎるぜほんとに。

 

純粋にかっこいいな。