大学にもコロナの波 | 生物学者ママの実験的スイス生活

生物学者ママの実験的スイス生活

スイスドイツ語圏最大の都市で、仕事と子育てに奮闘中の研究者ワーママ。人生の3分の1以上をすでにスイスで過ごし、すっかり現地に同化中。
夫ともはやチビではない息子たちとの家族4人の日々の生活を、生物学者としての視点で(独断と偏見も交えつつ)考察します。

秋学期がスタートしてから一ヶ月、ティーチング関連の業務で忙殺された。

国外で職が見つかって学期開始直前に引っ越してしまったマネジメント兼講師にかわり、急遽私がコース(複数人でのリレー講義)のマネジメントをする羽目になった。

自分でする授業はもちろんのこと、マネジメントも結構な作業量である。

 

普段の年ならコース全体のスケジュールを前年度とほぼ同じように決めれば終わり、のはずだった。

しかし今年は勝手がちがう。

一つには、ちょうどコース全体の教える内容などの見直しを図ることになっていたこと。

もうひとつは、勿論コロナ対策である。

 

今学期、3年生以上向けの講義は、うちの大学では基本対面とするようにお達しが出ていた。

講師自身がオンラインで行いたい場合は例外的にオンラインで行うが、学生は特段の事情以外は(医者の診断書でもない限り)通常どおりのコースへの出席を求められる。

1,2年生向けのマス講義と違って、3年生以上のコースにはたいてい実習が含まれるためオンラインへの移行は無理、しかも何百人の規模のマス講義と比べると人数的には桁ちがいに小規模(通常10−30人程度)なため、という判断である。

 

そのため、消毒などのコロナ対策は行うものの、始まりの時点ではいつもどおりだった。

 

コース向けには、大学の方針に沿って消毒液とマスクを準備しておき、教室でのマスク着用(どのみち、講義室まで来るのにマスクなしでは来られないためこれは自動的に実現)と、使用後の教室の机や椅子の消毒の徹底を行った。

バスケットに必需品を全部詰め込み、それを持ち運べばいいように準備しておいた。

 

学期開始時点では、とくに感染者が大学で多く出ていたわけでもなく、むしろ滑り出しは順調だった。

しかし、これは嵐の前の静けさだったのかもしれない。