船の最終目的地、ローマの港に到着 | 生物学者ママの実験的スイス生活

生物学者ママの実験的スイス生活

スイスドイツ語圏最大の都市で、仕事と子育てに奮闘中の研究者ワーママ。人生の3分の1以上をすでにスイスで過ごし、すっかり現地に同化中。
夫ともはやチビではない息子たちとの家族4人の日々の生活を、生物学者としての視点で(独断と偏見も交えつつ)考察します。

ジェノバを出航しバルセロナまで行って再びイタリア領海に帰ってきたMSCマニフィカ号。

我々の4泊5日クルーズの最終目的地はローマだ。

ただし、ローマといっても港は別の町のチキアヴェッタという所だ。

 

下船は朝8時頃を指定され、待たされることなく、す早く船から降りることは出来た。

(しかし、急ぐ旅でもないので、時間を選ばせてくれても良いのにとは思った)

この日は12月25日、ばっちりクリスマスで、博物館ですら休館日だ。

そのため、この日は移動に当てることにした。

港から最寄り駅までタクシー、そこからローマまで電車で30分。

さらに高速鉄道に乗ってナポリまで2時間弱だったか。

せっかくローマまで来たのだから、南イタリアまで足を伸ばすことにしたのだ。

 

ただし、目的はどちらかといえばナポリよりもポンペイを見学し、ヴェスビオ山に登ることだった。

ナポリは昔はきれいなところだったのだろうが(建物などは今でもきれいだが)、とにかく町の中がゴミだらけ。

大通りを歩いている分には治安が悪いとは思わなかったのは良かったが、まったく公共の場所の清掃が行き届いていない。

ゴミなど落ちているのが稀なチューリッヒから来ると、とにかく信じられないレベルに汚い。

ここに暮らす住人は何とも思わないのだろうか?と思うほど。

滞在したアパートメントの中はとてもきれいにしてあったのだが、外の通りはひどかった。

 

到着したその日は町の中を歩いて少々辟易したのだが、逆に食事はとてもおいしかった。

どういうわけだか知らないが、ヨーロッパでは、町がきれいな所ほど食事はまずい、という法則がある。

スイス国内も、西の方が町は汚いが、食事はフランス風でおいしい。

イタリアよ、お前もか・・・

 

ナポリ観光は正直期待したほどではなかったのだが、翌日のヴェスビオ山とポンペイは素晴らしかった。

ヴェスビオ山にはポンペイからバスツアーに乗って、山の9合目くらいまで連れて行ってもらって、そこから20分ほど頂上まで登った。

火口も興味深かったのだが、なんせ眺めが素晴らしい!

汚かったナポリも、ここからみるのならOKだ。

ナポリをみてから死ね、というのは、ナポリの町に行くことではなく、ここからナポリ湾をみろということなのではとすら思った。

夏ならもっときれいなのかもしれないが、12月でも空は十分青く、視界もクリアだった。

 

ポンペイは半日かけて歩き回ったが、全部見きれないほど広かった。

しかもこの日、26日は、入場無料の日で見学客はたくさんいた。

(広いおかげで、さほど混んでるとも思わなかったが)

ローマ遺跡での私の楽しみは、浴場をみることだ。

ポンペイにも浴場はいくつかあって、中に入れるところでは床のモザイクや浴槽など残っていて面白かった。

(イタリア人、昔は風呂好きだったのに今はシャワーしか浴びない、といってもローマ人とは違う民族だからか)

 

埋まっていたおかげか、全体的に保存状態は非常に良くて驚くほどだった。

当時の生活が想像できてとても面白い。

海が見える岡側には大きなお屋敷が建ち並び、中心地には庶民的な家々。

また、大きな通りには様々な店がずらっと並んでいたようで、繁栄ぶりが伺えた。

まだ発掘し切れていない区画もあったので、また10年後などに訪れたら新しい物が見られるかもしれない。

 

ナポリ自体はともあれ、ローマ遺跡を堪能できて良い滞在だった。