スイスはゆとり教育か | 生物学者ママの実験的スイス生活

生物学者ママの実験的スイス生活

スイスドイツ語圏最大の都市で、仕事と子育てに奮闘中の研究者ワーママ。人生の3分の1以上をすでにスイスで過ごし、すっかり現地に同化中。
夫ともはやチビではない息子たちとの家族4人の日々の生活を、生物学者としての視点で(独断と偏見も交えつつ)考察します。

スイスの小学校は昔も今もゆとりである。たとえば、小学校1年生の算数は20まで数えられて簡単な計算ができればOKといわれている。

例えば日本と比べると、全般的にそれほど学習内容は難しくない。

必要最低限レベル、という感じがする。

 

最も力を入れているのは語学教育のようにおもう。

小学校のうちに、英語とフランス語が始まる。

家でドイツ語以外を(も)話している家庭もおおいだろうから、自然と多言語話者が増えることになる。

うちの子達も、うまくいけば日独英仏のマルチリンガルに仕上がるというわけだ。

(日常会話レベルをこなすのと、高度な思考ができる語学力には大きな差がある、という点はさておき)
 

日本はどちらかというと国民全体を底上げした教育を施しているが、スイスは必要な一部にだけ高等教育を施し、あとは必要に応じて、もしくは最低限のみ、というメリハリをつけているように感じる。

たしかに、かならずしも全員に高等教育は必要ないのかもしれない。

むしろギムナジウム以外のスイスの学校は、職業訓練志向をとても重視している。

 

基本ゆとり教育にも関わらず、それでも国自体はそこそこうまく回っているのは、このメリハリと職業訓練重視のお陰が大きいように思う。

 

また、職業による収入の差がそれほど激しくないのも特徴だ。

たしかに高収入な一部特殊な職業もあるが、おしなべて収入は高め。国際的な平均ではかなり上位のレベルだ。

スーパーのレジうちのおばちゃんやレストランのサービス係ですら、日本の会社員レベル以上のお給料をもらっている。(ただし物価も高いのは事実だが)

そのため、かならずしも高等教育を志向する必要はないというのが一般的な考え方のようだ。