私は人生で出産時にしか入院をした事がない。
病院食がどんな物なのか期待と不安が混ざっていた。
最初の出産は初めてという事で大きい総合病院にした。
真夏の出産だったが、まさかのクーラー無しの
扇風機しかも6人の相部屋…
お楽しみのご飯は、量が少なめで色も地味。
和えたり煮たりのおかずなので持参したふりかけがとても美味しく感じた。
ある日の夕食の献立表に「牛肉の大和煮」と
書いてあった。
私はうれしくて舞い上がった
そして夕食の時間。
配膳を見てどれが牛肉の大和煮なのかわからない。
ただきっとこれだろうと思われる物をほじくってみても牛肉と思われるものは一向に出てこなかった。
という事で2人目の出産は食事が美味しいと噂の
個人病院にした。
期待より遥かにグレードの高い、しかも手作り重視の夫婦が営むちょっとお高いペンション的な
素敵な料理たちばかりだった
なにしろ3時のおやつには地元の有名なパティスリーのケーキだったし飲み物もコーヒー、紅茶、ミルクから選べてそれはそれは幸せな毎日だった。
私が特に印象に残っているのは手作りのホワイトソースから作ったグラタン。
私はグラタンと言えば箱に入っている一式セットの物しか食べた事が無く、それが当たり前と思っていたので稲妻が走るくらいの衝撃が走った。
本当はおかわりしたかったけどそんなシステムは無い。
退院して、里帰りも終えて私はあのグラタンを
再現したくて(お腹いっぱい食べたかった)
ホワイトソースを作ってみた。
なんだかダマダマみたいなのがいっぱいですごくまずかった。
私は悔しくて何度も挑戦した。
段々とコツがわかり何度目かでなんとかあの時に近いグラタンを作る事ができた。
もう子供は大喜び
そりゃそうだ。私も子供の頃食べたかった。
その後手作りの美味しさにハマった私は麻婆豆腐やデミグラスハンバーグなどの素みたいな市販の物は使わなくなった。
あの個人病院で入院しなければ私の料理革命は
無かったと思う。
今でもレストランに行くと「うちで作れるかな。」と食べながら研究している。
今夜はホワイトソースを使ってクリームパスタ。
生クリームを入れてさらに濃厚さが増し私好みになった
家族みんな大盛りなのでパスタは1キロ茹でた
うちは相撲部屋か