デザインに役立つタイポグラフィ – 期待を裏切らない代表的なフォントとは？（2）

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サンセリフ体のトップ5

クラッシックなフォントと言えばセリフ体が思い浮かぶと思いますが、サンセリフ体にも同じくらいの歴史や伝統があります。サン書体のスタイルはローマ時代にまで遡りますが、サンセリフ体が一般的に使われるようになったのはモダンデザイン・ムーブメントとともに書体が確立されてきた20世紀の初頭です。

サンセリフ体の近代的でシンプルなデザインは新鮮で重厚すぎるデザインに食傷気味の場合には良い口直しとなります。ここでは、デザイナーにとって欠かせない、期待を裏切らない代表的なフォント５つのサンセリフ体を紹介します。

1. Gill Sans

Gill Sansはサンセリフ体の中でも最も幅広く使われている愛用者の多い書体です。1928年にデザイナーのEric Gil氏がリリースして以来、イギリスのデザイン界を形作っただけでなく（このフォントは何十年もの間、鉄道の標識やポスター、時刻表などに使われました）、世界中の様々な媒体で使われました。

Gill Sansが長きにわたって人気な理由はおそらく、特徴的かつ爽快なまでのシンプルさだと思われます。鋭い角度と緩やかな曲線の組み合わせでモダンで親しみやすいサンセリフ体となっています。

England’s Medieval Festival向けのGill-Sans利用例 by Tanya Chursina

2. Futura

もう少しメリハリのあるサンセリフ体をお探しの場合はFuturaがおすすめです。この幾何学的なフォントはGill Sansよりも実用的ですっきりとしたデザインです。1927年にPaul RenneがデザインしたこのシンプルなFuturaは正円や三角形、正方形をベースにしており、1930年代のバウハウス・ムーブメントによくマッチしたデザインでした。

Futuraはリリースから1世紀近く経ちますが、現在でもその進歩的なデザインは幅広い分野で使われていおり、例えば2013年の「ゼロ・グラビティ」などのSF映画のポスターからギャラリーの看板まで、色々な場面で見かけるフォントです。力強く直接的なそのデザインは印刷媒体に説得力をもたせます。

2013年の映画「ゼロ・グラビティ」の��スターで使用されたFutura。イメージ提供：Warner Bros

3. Avenir

AvenirはFutura同様に幾何学的なサンセリフ書体ですが、デザインをされたのは1980年代です。デザイナーのAndrian Fruiger氏によってFururaフォントからインスピレーションを受けて作られたこの書体はフランス語で”未来”を意味するAvenirと名付けられました。

AvenirはFuturaよりもクリーンでシンプルなフォントで、昔のサンセリフ体よりもデジタル化された印象を与えます。また、おそらく明確な文章を伝えるのに最も適した書体の1つで、パンフレットやアプリ、カタログといった比較的カジュアルな文体に向いています。

Avenirの利用例： IKEAアプリのデザイン by Jerry Chiang

4. Museo Sans

Museo Sansは世紀半ばのサンセリフ体をベースにしていますが、exljbris Font Foundryがリリースした比較的新しいフォントです。

人気のMuseoシリーズの一つとしてリリースされたこのフォントはセリフ体のMuseoフォントよりも汎用性の高い書体です。オープンで生き生きとしたこのサンセリフ体はGill Sansと似た親しみやすく温かい印象を与えますが、丸みのある曲線がいたるところに使われています。このフォントは今後、モダンクラッシックの代表的な書体に成るのではないかと思われます。

Museo Sansの商用版レギュラーとイタリックはこちらからダウンロードが可能です。