撮影時の工夫と Photoshopで写真から人物を消す方法とは？

三脚を使いブレないように複数の画像を撮影する

実は複数の画像を撮影して、後で１枚の完成した画像に再構成することで、人が写っていない写真に仕上げることができます。　撮影する全体枚数と必要な時間は、そこに写り込んでいる人達の行動次第となりますが、例えばある写真の中では、ベンチに座っている人がいたとしても、他の写真で写っていなければその2枚を使えば、ベンチに誰も人がいない写真にPhotoshopで自動加工ができます。

人の通行の邪魔にならない場所に三脚とカメラを設置し、構図を決めたら撮影を開始しましょう。　ブレを抑えるため、カメラレリーズがあれば使ってください。　フォーカスは一度決めたら動かないようにマニュアル設定にします。　カメラやレンズにスタビライザー機能がある場合は、三脚に乗せているのでオフにしておきましょう。　露光もマニュアルにすることをお勧めします。あとは光の当たり具合が変わらないことを祈るだけ。絞り優先モードも効果的です。

撮影した画像をPhotoshopで加工する

画像の加工には、Photoshopのスタックモードを使います。画像のスタックとは、同じ基準フレームを持つ複数の画像をまとめたもので、各画像の画質やコンテンツが微妙に違う画像集のことです。　複数の画像をスタックにまとめたら、全画像をデジタル処理することにより、不要なコンテンツやノイズを消去した合成ビューを生成できます。

まず撮影した画像全てを Photoshopで別々のレイヤーとして開きます。　そのためには、メニュー上部のファイル–> スクリプト –> ファイルをレイヤーとして読み込みを選択します。　次の画面で、撮影したファイルを全て指定します。

次にメニュー上部からレイヤー –> スマートオブジェクト –> レイヤーを全て選択して、スマートオブジェクトに変換します。　すると、スマートオブジェクトの中の「画像のスタック」が利用できるようになります。　最後に「画像のスタック」の中で「中央値」を選択しましょう。

すると、Photoshopが人物が写っていない写真を自動的に生成します。　自動生成の中で発生したバグがある場合はマニュアルで修正しましょう。　この記事で紹介したサンプルの場合、撮影に15分かけて、25枚の写真を撮影しました。　雲は動くので、適宜１枚の中から抜き取って合成してください。　こちらが人物を消した完成画像で、Shutterstockの審査をパスしました。　（以上 Shutterstockの寄稿者 Alexey Stiop氏にこちらの記事を執筆頂きました。）

注意: 本記事内のテクニックは、商業用の画像には有効ですが、その場所にいたはずの人物を消せる訳ですから、エディトリアル用の画像としてば不適切な処理に当たります。