モデルの写真を Photoshop などで補正編集することは、商業利用する写真の場合ごく普通に行われています。どの程度編集されているのかについては、使用目的によってまちまちです。
例えば、高級ブランドのポスターに使用される写真であれば、非現実的な造形的完成度を求めて徹底的に編集するかもしれませんし、雑誌のグラビアであれば、ストリート的リアル感みたいなものを残すために最小限の編集しかしないこともあります。
Photoshopを使えば、ある人物を全く別の人物に変えることも難しくはありません。時間的な制約さえなければ、ほぼ何でも可能です。
一方で、そうした「整形」に該当するような編集処理とは別に、商業利用するモデルの写真に対して一般的に行われる画像補正処理というのがあります。顔の輪郭や鼻のカタチを変えるようなことはしませんが、それでもモデルの見た目をよくするのに絶大な効果があります。
この回答では、そうした画像補正処理にスポットライトを当ててみます。
ごく普通の日本人女性の写真をサンプルにして、よくやる手法をご紹介します。どの手法も「作り変える」のではなく、「軽減してやる」ことがポイントです。
※写真は全て上が Before で下が After 。
- 髪の毛の色を整える。乱れた髪を整える。
- 目元をクッキリさせる。目に光を入れる。
- 白目の濁りや赤みを減らす。
- ほくろなど不要なシミや皺を目立たなくする。
- 光源のせいで起こる肌の色のムラをなくす。
※皺などを完全に除去することは簡単ですが、軽減するにとどめてリアル感を残します。どの程度残すのか? この塩梅が経験に基づいたワザとなります。
※目に光を入れる効果は絶大ですが、この技術はカメラマンも持っています。撮影現場で目に「キャッチライト」を入れることがあります。
- 鼻や口元まわりの凹凸から生じたシャドーの濃度を増減してコントロールする。
- 歯の色の彩度を落として白っぽく見せる。歯を明るくする。
- 唇を綺麗にする。
※唇は印象を大きく左右します。このモデルの場合、もともと口元まわりの形状が乱れているので、使用目的によっては歯並びを含め形状を整形せざるを得ないかもしれません。
※下の写真では、唇周辺の肌色を補正していることも見栄えに影響を与えています。
※ちなみにどの写真も、Photoshop のメニューにある「ぼかし処理」は使用していません。ここらあたりについては人それぞれにワザを持っていたりします。
いかがでしょうか? 乱れた髪の毛以外は、どの写真も各パーツの形状を全くいじっていません。重ねて見るとわかります。にも関わらず形状の変化を感じるのは、凹凸から生じる光と影、それにともなう発色をコントロールしたからです。
商業利用するモデルの写真に対してこのような画像補正処理は、極端に予算が少ない場合を除いて、ほぼ必ず施されていると考えてよいと思います。
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