キャスト王冠15月28日 マチネ 

ジャン・バルジャン

:佐藤隆紀

ジャベール:伊礼彼方

ファンテーヌ:二宮愛

エポニーヌ:屋比久知奈

マリウス:竹内將人

コゼット:加藤梨里香

テナルディエ:六角精児

マダム・テナルディエ:樹里咲穂

アンジョルラス:相葉裕樹

 

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ミュージカル「レ・ミゼラブル」

 

「レ・ミゼラブル」

フランス文学界の巨匠・ヴィクトル・ユゴーの長編小説。日本では「あゝ無情」として 時代を超え 広く親しまれてきました。

 

この偉大な小説を原作に

制作されたミュージカル

 

1815年 ツーロン

 

パンひとつを盗んだ罪で収監された

ジャン・バルジャン

 

脱獄を繰り返し 19年にもわたる長い囚人生活を経て ついに彼は仮出獄の日を迎えた。

ここから物語の幕は上がる…。

 

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ついにきたMy初日

2021年レ・ミゼラブル

 

楽しみにしていた佐藤バルジャン

そして、新キャストが揃った日でした。

 

感想としては、

全体的に歌がほんとに上手かった。

うまい、、うまい。

上手かったなぁと思い

やっぱりレミゼは良い。

 

物語も音楽も堪能できた。

 

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バルジャン役の佐藤さん。

実は初めて観たのですが、きっと冤罪だ。罪は罪としても ほんとに仕方がなかったんだろうなと思えたし、汚れていても汚れきれない品がある人だなと。だからこそ苦しく。そして、温かく尊い。ただ一人の男の人生がそこにありました。

 

佐藤さんがイメージするバルジャン像に寄せるための表現でしょうか、メロディーに忠実な歌唱というより、物語の序盤は、時折、台詞口調になったり感情を あらわ にだす歌い方が目立ちました。しかし、ゾーンに入ったときの音の塊が凄い。ものすごい太い声の束が一気にきた。その歌声が極上なのです。ひとつの歌のなかに光と影がある。そして結果的に どの歌も とても良い仕上がりに感じられた。

 

「独白」では最初は台詞調の歌い方(そういう歌い方をするのが意外だった)が、しかし、「石のように~心を閉じて生きてきたのだー俺の人生ーー」からゾーンに入るんです。そこから、がっつりドーーン。

 

「彼を帰して」はファルセットのような裏声から始まり、またしても「御心でしょうか、まるで我が子です~」あたりからゾーンに入ってきて、一気に歌い上げていく。それは祈りのように。温かな思いやり、愛に包まれるのです。

 

バルジャンの緊張感、ギリギリの人生は続く。ジャベールの追い詰められたときの対決が必死。危うさを なんとかギリギリに 切り抜けている感じが新鮮でした。伊礼ジャベールの迫力も凄まじく、両者の せめぎ合いに最後まで目が離せませんでした。

 

そして、佐藤バルジャンは天に召されるとき、ふっと我にかえったように間をおいてから立ち上がるのですね。それがとても良かったな~。

 

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バルジャンを中心にした「レ・ミゼラブル」な面々。佐藤さんバルジャンが良い意味での凡人だからこそ、彼が行く先々で出会う人達にも いつも以上に目がいって、なんて個性豊かな登場人物が揃った物語なんだろう~と改めて思えました。

 

まず印象的だったのはテナルディエ夫妻。六角精児さんと樹里咲穂さんのコンビ。すごい面白かった、お2人のやりとりが可笑しくて、でてくるだけで笑ってしまいそうに。その一方、テナルディエ夫妻として 人生の凋落が分かりやすいお2人でもありました。

 

意外と言ってはなんですが、六角さんが上手くてビックリしました。想像していた以上に野太い声で歌もしっかりメロディーを抑え誠実に歌い上げていました。

そして、演技は上手い。テナルディエの滑稽さとワルさのバランスが絶妙で痕跡を残す存在感とはこのこと。

 

樹里さんもさすがに上手い。

しっかりテナルディエ夫人として動かしていました。この2人は声の重なり具合がちょうどよくて、喧嘩し合わない歌声なので楽曲が盛り上がりました。

 

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そして、もう一組のカップル。マリウスとコゼット。こちらも新キャスト・竹内將人さんと加藤梨里香さん。周りの悲惨さとは別次元の2人の世界というか、結果として、お幸せに~と思えるお2人でした。

 

観る前までは、加藤梨里香さんはエポニーヌの方が歌唱的にも合うのではないかと思い込んでいたのですが、コゼットの歌も加藤さんの歌声で巧みに表現されていて器用だし上手い人なんだな~と思いました。佐藤バルジャンに育てられた娘という雰囲気が漂っていた。


竹内將人マリウスの登場シーンは、出てくるなり、ものすごい闘志が顔に刻まれていて「アンジョルラス!?」と見まがうような革命に走る男のように見えた。その後も出てくる場面の随所にそういう 前のめり感 が炸裂していました。

 

コゼットと出会うやいなや恋に突っ走る男、はたまた、エポニーヌが死ぬと全力で悲しみに陥る。革命の最中なのにずっと呆然、見かねたグランテールが傍らに座り肩に手を置いも気付かず、相葉アンジョルラスに銃を促されようやく我に返るという。カフェソングの大熱唱。そこからコゼットの愛に光を見出したときの爆発具合、さっきの悲しみは何処へ。そして、バルジャンの告白に対する反応が その罪に ひいてる感じがなんとも。もちろん離れますわのダッシュな勢い。そこからテナルディエの告白を聞いてからの「幸せは続くよ~」がまたよく聞こえる歌声で。。。

 

「愚かな僕 許して、あなたの ありがたさ 知らず~」という言葉がほんとに似合うマリウスだと思えました。

 

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竹内さん自身から伝わってくるレミゼに出演できていることへの喜び、ご自身のそういった勢いはマリウスにも投影されていて、物語の筋はあるけど、竹内マリウス物語としての陶酔、その個として作り上げている世界が 時折、周囲から 浮き上がっているようにも見え、そういう部分が、最終的にコゼットのペアになることで おさまるとことに おさまり、ようやく 物語の中に マリウスが着地した感じがした。

 

バルジャンからコゼットに宛てられた告白の手紙にも我がことのように読んで反応する竹内マリウスと そんなマリウスを信じきり 愛し慕う 加藤コゼットの視線が温かく、見つめ合うさまが幸せそうだし、これからこのカップルは夫婦として暮らしていくんだろうな~という感じがしたので、きっと佐藤バルジャンも安心して天に旅立てると思えた。だから終わり良ければ すべて良しとしました。

 

竹内さんの歌は正確でしっかりした発声を感じます。ソロは声が凄いけど、デュエットとなると合わせ方を探っているのかな。勢いが やや おとなしめになる。ソロの声が際立つだけに惜しいなと。スポットが当たった時にできる顔の陰影を見てると、表情の明るさより影が出来る輪郭の方に目がいき、もしかしてヒール役も向いているのかもと思ったりした。

 

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ミュージカル「レ・ミゼラブル」は2013年に新演出になった。当時は海外から持ってこられた演出・人物像にあてこまれたようなものを感じ 戸惑いがあった。

 

それは2011年にみたオリジナル演出のレミゼの世界とは かけ離れたような部分、より悲惨さが塗り込まれた表現・人物像もあり、そういった戸惑いは キャストさんの熱演を通して消化させてきたのですが、新演出も再演を重ねる度に改良を重ね、音の抑揚や人物像など、良い感じのながれにのって 日本公演の新演出レミゼとして さらに進化してきていると思う。

 

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2021年「レ・ミゼラブル」にも個性豊かなキャストが集結し、素晴らしい音楽と物語が さらに盛り上がっていきそうな、良い勢いを感じるMy初日でした。

 

次に見に行く時が

さらに楽しみになりました。

 

「レ・ミゼラブル」

始まりました。

 

無事に最後まで出来ますように。