昭和46年12月

今後のプロレス界を左右する一大事件が勃発。

アントニオ猪木が日本プロレス乗っ取りを

企てたとして追放されます。

12月の時点では猪木対ドリーの日本初ダブル

タイトル戦が「猪木病気欠場」でいつの間にか

坂口対ドリーに変更。

今から考えると当時何がなんでも猪木！では

なかったのか小学４年生はなんら驚くことなく

そのまま年が明け恒例の日本プロレス出演

「底抜け脱線ゲーム」に猪木が出ていなかった

のに違和感を覚え、とうとう１月発売の

プロボク誌で事の経緯を知るのでした。

尿管結石で入院した猪木。実は仮病でした、といろんな筋から

退避するための手段であったと告白。

今後のビジネスを鑑みるに専門誌は日プロ側の

大本営発表となるのは必然で、年末シリーズの

慰安ゴルフ大会で幹部が不在になるタイミング

で会社約款を猪木が書き換える計画だった、と

現在でも言い伝えられている行動がスクープ

されていました。

しかし小学４年生でも会社の社長ってそんな

簡単に替えられるものなの？と疑問に思うほど

計画は杜撰に見えたぐらい事の真相は50年経過

しても誰もが納得する答えとはなっていません

しかし日プロに在籍する方々の思惑はそれぞれ

全く別の方向を向いているようで

まずエース馬場は自分の立ち位置を明確に

理解しており最悪俺抜きで他の奴らはどう

立ち回るの？と最終的には我関せずを貫く。

大木は猪木が抜ければ俺がナンバー２と単純に

舞い上がるも、誰も大木のプロレスを見たい

わけでもなくこのあたり韓国人の浅はかさが

顕著に表れる。

猪木追放の先頭に立つグレート小鹿と

ミツヒライ。小鹿は猪木追放ミーティングで

乾杯の音頭をとるほど明確に意思表示しており

ヒライは若手時代猪木に圧倒されていたにも

かかわらず、猪木が暴れれば俺が抑える！と

豪語。

上田は馬場に「猪木はなんであんなに性急

なんだ？お前知ってること全部話せ」と

詰問され顛末を猪木のせいにする。

幹部も社会人としての器が皆無で、

まあ猪木も謝罪してるし、となあなあで

済まそうとするも大木、小鹿らに選手会は

猪木を辞めさせないとボイコットするで！に

わかった、追放や！と踊らされる。

猪木追放に乾杯する選手会。この中で何人が

新日本プロレスに行ったんや？

え？小鹿とヒライ以外全員！？

力道山死去後の日プロ会長には

右翼の児玉誉士夫、副会長に山口組田岡組長、

東声会町井会長が就任し、お上により途中で

辞したもののその影響力は多大であったため

事の発端である使途不明金の行方は

この方面に流れたと推察される。

しかしやくざ屋さんもプロなので資金源に

ダメージを与えるような追い詰めはご法度。

生かさず殺さずを実践する筈。それを裏付ける

証言として面白かったのはＧスピリッツ

最新号で「やくざ屋さんのお店で使うカネ

には月何10万のノルマがあった］が掲載。

試合に（負ける）協力をした外人選手への

闇ボーナスも使途不明金のある程度割合を

占めるともされており、やはり真相は闇の中。

猪木は追放され新日本プロレス設立に臨むが

やはり自身もおよそ10年後会社の利益が

少なすぎることに疑問を持たれ、

アントンハイセル出資の責任をとらされる

のは皮肉ですね。

この事件でしみじみ思うのはスター性のない

選手でも勘違いと嫉妬はおこるもので

また出戻りのくせにエースに盾突く猪木も

プロレス村の住民からすればうざく思えた

でしょう。

普通の会社でも起こっている人間の性が

感じられますね。

昭和プロレスその11～猪木追放